新ビーストテイマー・ナタ49
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ところがゲイザーとフラウには子供がなかなか出来ませんでした。フラウは以前にも増して不妊症の事で悩んでいました。

 

「ミネルヴァさんもサラさんもすぐ妊娠されたのに…」

 

「あの実はなんの願い事が叶うものだったのでしょうか…」

 

「私が少し天界に帰って実の意味を調べて来ましょうか?奇跡課のマニュアルに目を通せばわかると思います」

 

「よろしくお願いします。アーク殿」

 

アークは天界の奇跡課にやって来ました。この部署はケルビムが多いので、アークが現れたのでざわついています。ケルビムは自分の正体を知っているからだろうと思いました。

 

「お忙しいところ、失礼致します。知恵の実に関する資料を見せていただきたいのですが…」

 

「は、はい!す、すぐご用意致しますので、こちらでおかけになってお待ちください…」

 

「あの…私の方が階級は遥かに下なので、そのような気遣いはやめてもらえませんか?」

 

「も、申し訳ありません!」

 

ケルビムたちが部屋の隅っこで固まってヒソヒソ話を始めます。

 

「あれは…天界最強のセラフィムと呼ばれた…あのお方が…封印されてると言う…」

 

「しっ!それ以上、口にしてはいけない…。セラフィムから厳しい処罰を受けますよ?」

 

アークは資料を速読して、僅か数秒間で読み終えると奇跡課を出て行きました。

 

「ふぅ…緊張したなぁ」

 

「あのお方の隠れファンだったので、資料を渡す時に手が震えてしまいました」

 

「天使アカデミーも首席で卒業されていたからなぁ。やはりエリートは我々とは出来が違う」

 

「それなのに希望部署が落ちこぼれの下級天使が行く福音課でしょう?才能の無駄遣いだわ」

 

「勇者の支援がしたかったそうだ。勇者に同行してモンスター討伐もされていたようだから、退屈はされなかったと思うが…」

 

「あの成績ならエリート揃いの天誅課にも行けただろうに…。あっという間に出世するのは間違いない!」

 

それを聞いて、下級天使のお茶汲みたちが不思議そうな顔をしながら、ぼやいています。

 

「あの者は翼が二枚しかないし、僕と同じ下級天使なのに、なぜそのような特別扱いを受けるのです?少し成績が良いと言うだけで…」

 

「成績が良かったのはミカエル様から贔屓されていたからなのに!毎日ミカエル様と二人っきりで個人授業などと羨ましい…」

 

「はぁ…、お前たち下級天使は何も知らないから幸せで良いな」

 

…つづく

説明
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第49話です。
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