新ビーストテイマー・ナタ50 |
アークが急いでとんぼ返りすると血相を変えて言いました。
「奇跡課の資料を見て来ました。大変なことがわかりました…」
「それにしても随分と速かったですね?」
「天界ではこちらの時間は経過しませんから」
「アーク殿の仕事の速さには驚きます。他の部下に頼むと何日もかかる事も一日で終わらせてしまいますし、いつも助かっていますよ」
「まず青リンゴなのですが、その者の原点に戻れるようです。ゲイザー様ならばおそらくアダムに戻りますね」
「星型の実とハート型の実を食べたらどうなるのですか?」
「リンゴや桃ならば望みは叶いますが、自然界に存在しない形の実は実現不可能な望みのようです…」
「えっ…!それはどういう意味ですか?」
「願いは叶いませんが寿命だけは持って行かれます。ナターシャ様はたくさん食べてしまったので…」
「ナターシャの寿命がたくさん縮んでしまったのか!」
「無能なケルビムがちゃんと説明しないからこんな事に…」
「私もその事に気付かずに…ナターシャがお菓子を頬張ってるのを見ていたので、そのケルビムと同罪です…」
「私もあの時、見ていただけなので私にも責任があります。見ているだけで助けないのは一番重い罪だと思いますので…」
「寿命を延ばせる方法はないでしょうか?私はともかくナターシャが私より先に死ぬのは困ります…」
「長寿の薬があれば…。妖精界で素材が揃います」
「ああ、確か妖精界でそんな話をしていましたね!良かった…。早速、行きましょう?」
「あの望みを叶える実は世界樹の餌を呼び寄せていたのです。世界樹の葉は寿命を延ばしますが、あの実は食べた者の寿命を奪います。その寿命が世界樹の養分になって…」
「ラクして手に入れたものはロクなことが起こりませんね」
「天界の起こす奇跡には必ず裏があります。あのような悪魔が唆して食べさせる実をオススメしてきたミカエル様を怨みますよ?」
「フォン様とユリアーノ様は望みが叶って満足しておられましたが…」
「しかし本来よりも早くお亡くなりになられます」
「それでもあのお二方は後悔などしませんよ?だから…ミカエル様の事をあまり責めないでもらえませんか?」
「ゲイザー様はミカエル様を随分と味方されますね…」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第50話です。 | ||
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