新ビーストテイマー・ナタ51
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ゲイザーはナタの部屋をノックしました。ドアを開けると、ナタはお菓子をテーブルの上に山のように広げて、もしゃもしゃ食べています。

 

「ナターシャ!お菓子ばかり食べていたら、太ってしまうと何度言ったらわかるんだ?」

 

「いいの!私、ブヨブヨの昔のアラヴェスタの王様みたいになりたいの…」

 

「何をわけのわからない事を言ってるんだ…」

 

「そしたらアークも私の事、嫌いって言うでしょ?だから太りたいの」

 

「ナターシャ様がどんな姿になっても私の気持ちは変わりませんよ?」

 

アークもナタの部屋に入りました。散らばっているお菓子のカラを片付け始めます。

 

「太ったら街で変な男に絡まれなくて済むし、良い事しかないじゃん!邪魔しないで?」

 

「お前が何を考えてるのか私にはサッパリわからないよ?」

 

「ナターシャ様、どうして私に嫌われたいのですか?」

 

「アークが嫌いって言ってくれないと、私ずっと他の彼氏が作れないでしょ!」

 

「ナターシャ、お菓子を食べ過ぎると病気になって早死にしてしまうんだよ?」

 

「わかってるよ?だからわざと食べてたの!」

 

「ナターシャが食べた願いの叶う実のお菓子も食べ過ぎて寿命が縮んでしまってるんだ」

 

「そんな事、気付いてたよ?私、そこまで馬鹿じゃないもん!」

 

「わかっててどうしてあんなにたくさんお菓子を食べたりしたんだ?」

 

「平均寿命から私の歳を引いて、大体残り六十だから、一個で三十年、二個で十五年、三個で七年六ヶ月、四個で三年九ヶ月、五個で一年十ヶ月十五日、六個で十一ヶ月七日十二時間…」

 

「ナターシャ!寿命を何日まで縮めたのか把握しているのか?」

 

「私の寿命がどれくらいかわかんないし、明日死ぬかもしれないけど、知らないわよ?」

 

「ナターシャ…。これは自殺行為だよ?」

 

「ナターシャ様、お菓子を何個食べたか覚えておられますか?寿命は天界で調べて参りますので、残りの寿命を計算したいのです」

 

「うーん、確か八個かな?さっきの計算だともう死んじゃってる事になるから、私の寿命が長いのかも?」

 

…つづく

説明
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第51話です。
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