新ビーストテイマー・ナタ54 |
騎士団員は項垂れながら出て行きました。
「ううっ…。ゲイザーだけが余の味方じゃ!」
「勘違いしないでください。私はあなたを守る為にこの法案を作ったのではありません」
「ぐぬぬ…、ではなぜそのような法案を作ったと言うのじゃ?」
「あなたやギルバートが囚人に対して目に余る拷問を繰り返していたのを見ていて、反吐が出たからです。あなたはこれまでご自分のしてきた事をそこで反省なさってください」
「もう十分反省した!ここから出してくれ?」
「いいえ、あなたは終身刑です。一生そこから出られません。本当に反省しているなら、そんな言葉は出てきませんよ?」
「其の方は優しいのか恐ろしいのかわからぬ」
「まだわかりませんか?あなたを牢から出したらあなたはすぐに殺されるでしょう。私はあなたをラクにしたくなくて、ここに入れてるのです」
「ここから出たら余が殺される?なぜじゃ…」
「この牢にいるからあなたの命は守られているのです。私はあなたを一日でも長く生きさせる事であなたに罰を与えているのですよ。生きる事は苦しむ事ですから」
ゲイザーと一緒に地下牢から出ると、アークは言いました。
「ゲイザー様のお考えは頭の悪い私にはわかりかねます。まるでミカエル様のような思考をしますね」
「確かに…ミカエル様とは価値観が近いと感じますよ」
「ミカエル様も人間が罪を犯しても生かして置こうとされるのです…」
「ミカエル様の深いお考えには感服しますよ」
「私はあの騎士団員の者には罰を与えるべきではないと考えましたが、あなたは罰を与えるのですよね…」
「私も本当は罰を与えたくはないのです。私がもし愛する妻に同じ事をされたら、同じ気持ちになりますので」
「ではなぜあの騎士団員を罰したのですか?」
「法は守られなければ意味がないからです。例外は認められません。罪なき者を守る為です」
…つづく
説明 | ||
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第54話です。 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
79 | 79 | 0 |
タグ | ||
リュートさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |