新ビーストテイマー・ナタ55 |
アークは深くため息をつきます。
「これはゲイザー様に話すべきか迷っていたのですが、知恵の実の樹の番人が弱過ぎておかしいと思っていたのです」
「弱いのかどうかは戦っていないので、私にはよくわかりませんが…」
「戦わずともわかりますよ?あまりにも弱いのでゲイザー様と戦わせても、すぐに負けてしまいそうなので、話し合いで済ませました」
「しかし天界のヒエラルキーの上から三番目である高い階級のお方なのでしょう?」
「おそらく天界は人員不足で、大して実力もない下級天使をケルビムに昇格して、翼を四枚与えたのでしょう」
「なぜそんな事がわかるのです?いくら人員不足でも本当に無能なら昇格出来ないと思うのですが…」
「私が読んだ観光案内の世界樹の紹介文によると樹の番人は炎の剣を持っているそうですが、あのケルビムは炎の剣を持っていませんでしたよね?」
「ああ、そう言えばアーク殿と同じ槍を使っていらっしゃいましたね」
「あれは天界から下級天使に支給されている中でも一番弱い武器です」
「そんな弱い天使にあんな重要な任務を与えるでしょうか?私が上官ならもっと優秀な部下を配属します」
「天界はわざと知恵の実の番人を弱い者に守らせているのかもしれません。彼は何やらミスをやらかして左遷されたと言っていましたので」
「確かにあんな辺境の地に身分の高いお方が、ずっと一人でおられるのは、ちょっとばかり気の毒ではありますが…」
「最初から無能な部下を左遷する為の配属先だったと思われます。あの樹の噂を聞いた者が簡単に知恵の実を手に入れる為ですよ?そしてその者から生命を奪うのです」
「まさか…ミカエル様がそんな事をお考えになるはずがありません!」
「ミカエル様はナターシャ様を亡き者にする為に知恵の実の事を教えたんですよ?」
「アーク殿はなぜそこまでミカエル様を敵視するのです?」
「あのように優しいフリをしている者が一番腹黒い者です。もうミカエル様を信用しないでください」
「こんな事をしている場合ではなかった…。早く仕事を終わらせて世界樹に行かなくては!」
「ええ、急ぎましょう。ナターシャ様の命の炎が燃え尽きる前に、何としてでも阻止しなくてはなりません!」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第55話です。 | ||
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