新ビーストテイマー・ナタ60 |
オベロンの隣に座っていた王妃のティターニアが突然、立ち上がりました。
「ナタ、私のこと覚えてるかしら?」
「ん?妖精のお友達は確か男の子だったと思うんだけど…」
「あの頃はまだ私は恋をしていなかったから、妖精は恋をすると性別が変わるのよ」
「ミカエル様と同じように妖精にも性別がないと言う事でしょうか?」
「ミカエルはどちらでもないけど、私は見ての通り女性ですよ」
「人間の私には理解の範疇を超えていて…すみません」
「それじゃ、あなたは妖精のタイタンなの?」
「ナタのことはずっと気になっていたのだけど人間界には遊びに行けなくなってごめんなさいね」
「タイタン…、ずっと会いたかったの!」
「今は改名してティターニアと名乗ってるわ」
「じゃあニアって呼ぶね!」
「ナターシャ…、王妃様に失礼だろう?」
「良いのです。どうぞニアと呼んでください」
「ティターニア…、ナターシャの為に妖精の粉を少しだけわけてもらえませんか?」
ユリアーノがここぞとばかりに頼み込みます。
「ならん、ならんぞ!わしが認めん」
「オベロン、あなたも本当は人間の事が大好きだったでしょう?ナタは私の大事なお友達なのですよ」
「うーむ、お前がそこまで言うなら…。今回だけだぞ?次はないからな!」
ティターニアの説得により、オベロンに掟を破る事を例外的に認めさせました。
「しかし、王妃様に手足をもがれるような苦痛を味わわせるわけには行きませんよね…」
「安心してください。他の人間はやり方を間違っていたんです。時間をかけて抽出すれば痛みは感じないと思います」
ユリアーノが自信満々に言うとドンと胸を叩きました。
「ふふ、久しぶりの外出ですね。人間界に出かけて参ります。ナタ、行きましょう」
「うん、ニアと遊べるのが楽しみ!」
「こらこら、ナターシャ!王妃様はお前の為に妖精の粉をわけてくださる為に人間界に来られるのだよ?遊んでる暇などないんだ」
「あら?私はせっかくだから人間界をゆっくり観光したいわ。騎士団長のパックを護衛に連れて行きます」
「えっ!ボ、ボクも人間界に行くのですか?」
「あなたも人間界に興味があったのでしょう?勇者ゲイザーにも護衛をお願いしますね」
「王妃様の仰せのままに…」
ゲイザーは跪くと小さな王妃の手の甲に口づけをしました。
…つづく
説明 | ||
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第60話です。 | ||
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