新ビーストテイマー・ナタ61 |
ユリアーノの塔に戻ると早速、調合を始めました。世界樹の葉を煎じた緑色の液体のグツグツ煮えてる小さな壺のような鍋に、ティターニアは衣を脱いで浸かります。ゲイザーは思わず目を逸らしました。
「いいお湯加減だわぁ」
「今夜は満月です。いつもより魔力が高まりますので抽出には最適ですが、朝までかかるかもしれません」
「ナターシャの寿命はあと何時間だろうか…」
「私が天界に行ってメタトロン様に聞いて参ります!」
「メタトロン様?天使はみんな名前にエルが付いているのだと思っていました」
「エルは神に忠誠を誓っている者に与えられる名ですからね。メタトロン様は神を超えておられますので」
「そんなすごいお方がおられたとは…。ミカエル様は天界最強ではなかったのですか?」
「ゲイザー様、ミカエル様はそこまでお強くはありませんよ?私がセラフィムだった頃も私の方がミカエル様より魔力は上でしたし…」
「なんだかミカエル様と私の共通点をまた発見してしまいました。私はあまり強くないのに、なぜか強いと言う噂をたてられていますので」
「ゲイザー様は強いと言うより賢いのです。あなたの思考はいつも予測不可能です」
「私は賢くもありませんよ?アーク殿は私を買い被りすぎです」
「指揮を取る者には強さはあまり必要ありません。如何に上手く指示を出して立ち回るかだけが重要なのです」
「なるほど、それでミカエル様は天界のトップに立ったわけですか。納得しました」
「ミカエル様ではなく、ゲイザー様の事を言ってるんですが…」
天界に帰るとミカエルがアークに話しかけて来ました。
「天界に帰って来たら一度、私のところへ挨拶に来なさい。先日、メタトロンを訪ねたのでしょう?」
「今の私はあなたの部下ではないので、あなたに指図される覚えはありません」
「お待ちなさい!大事な話があるのです」
「私に気安く触らないでください!」
アークはミカエルの手を振り解いて冥界の門へ急ぎました。
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第61話です。 | ||
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