真・恋姫†無双 〜長江の華〜 第十一話 |
<登場人物紹介>
姓名 字 真名 簡単な説明
北郷一刀 錦帆賊の将に成り上がった天の御遣い。いつも平民服を着ているので隊員以外には知られてない。
甘寧 興覇 思春 錦帆賊の頭領。最近イライラ率が上昇中?デレちゃ駄目だ、デレちゃ駄目だ、デレちゃ駄目だw
丁奉 承淵 冬灯 錦帆賊の将。それにしても活躍の場が来ない。だって基本的に裏方だから orz
魯粛 子敬 琴鳴 錦帆賊の客将。いまだに客将なのは何故なんでしょう?
呂蒙 子明 亞莎 錦帆賊の兵。一兵卒から始めるつもりがいつの間にやら・・・・・・
<前回のてきとーなあらすじ>
思春にリストラ宣告を受け、自分のへそくりと相談しつつ錦帆賊の選抜を受けた一刀くん。
たまたま居合わせた有名どころの女の子を自分の意のままに操り、選抜に勝利する。
そしていつの間にやら将として自分が騙した男達100人を従えることに。
とりあえずピッピカチューと光ったら皆に叫ばれた一刀くんであった。
では、続きをお楽しみください。
一刀が自分の部下となる100名の兵の前に姿を現す少し前。
以前と同じように思春に呼ばれたのであった。
以前と違うのは、隣に亞莎がいること、そして俺がこの世界に来ていた服を持ってくることであった。
亞莎は、緊張で歩き方がぎこちなかった。
一刀「亞莎・・・・・・そんなに緊張しなくても、別に捕って食われる訳じゃないし」
とは言ったものの、実は俺も不安だったりする。
以前は、このパターンで降格処分を受けた。
亞莎「そ、そ、そ、そうですよね。・・・・・・で、でも、一体何の用なんでしょうか。
師兄はともかくただの一兵卒の私も呼ばれるなんて・・・・・」
プルプルプルプル
亞莎は何を想像したのかプルプルとチワワの様に震えていた。
一刀「亞莎・・・・・・その呼び方・・・・・・はぁ、まあいいか」
まだ聞き慣れないこの呼び方。
昨日の選抜後、俺が思春達と親密だということを知って以来、俺のことを一刀様と呼ぶようになっていた。
何度もその言い方は止めてくれ、せめて一刀さんでお願いしますと言っても譲らなかった。
じゃあ他にどんな呼び方ならいいのか尋ねたところ、
亞莎「えーっと、・・・・・・それじゃあ師兄(スヒン)・・・師兄でお願いします」
一刀「す、すぅひん?」
亞莎「はい、師兄です。一刀様のお陰で私は、ろ―琴鳴様の下で学べることになりました。
つまり一刀様は兄弟子になるんです。だから―」
駄目ですか?という目でこちらを見ている。
その上目使いは犯罪だと思うんだな俺は・・・。
一刀「・・・・・・・・・はぁ、亞莎がそれでいいのなら―」
亞莎「はいっ!ありがとうございます、一刀師兄!」
パァッと顔を明るくした亞莎を見ると、何だか心が洗われるような気がした。
これから行くところにいる御三方に比べれば・・・・・・。
余談だが、亞莎が言ったように、亞莎は琴鳴の下で学べることになった。
これも昨日のことだが、琴鳴に事情を説明したところ、
琴鳴「まあまあ、私なんかが教えていいのかしら?」
と困った顔をしながらも、快く了承してくれたのであった。
部屋に入ると、難しい顔をした思春に、珍しく真面目な顔をした冬灯、そして眉根を寄せる琴鳴がいた。
俺は分かってしまいましたよ。
嗚呼、終わりなんですね。
何かとんでもないことをしてしまったのですね。
そういえば昨日、何故だか思春も怒っていたし・・・・・・。
亞莎、本当に短い付き合いだったけど、俺、君に出会えて良かった・・・。
そう、いろんな意味で覚悟を決め、涙を浮かべている俺に思春こうが切り出してきた。
思春「北郷一刀・・・・・・貴様を将とし、先日の選抜上位100名を率いることを命じる」
一刀「へっ!?」
思春「・・・・・・そして、呂蒙子明―亞莎には、北郷の副官として補佐してもらう」
亞莎「ひぁうっ!?」
俺も亞莎も寝耳に水の話だった。
亞莎は驚きすぎて硬直している。
つい先程までただの一兵卒だったのに、いきなり副官―つまりは士官候補というエリートコースに乗ったわけである。
一刀「・・・・・・思春・・・・・・えーっと―」
駄目だ。
頭が考えることを拒否している。
だっていきなりのことなんだ。
将になれということは、部下の―100人もの命を預かるということを意味する。
思春「・・・・・・何故、という顔をしているな・・・。理由は簡単だ。お前にはその資格がある。・・・ただそれだけだ」
一刀「でも俺は・・・・・・」
たった一人殺しただけで失神してしまった者に人を率いるなんてことができるわけがない。
琴鳴「大丈夫、貴方ならできるわ」
冬灯「そうだぜ兄ちゃん。昨日の戦い方見てる限りじゃ大丈夫だって」
諭すように言う2人の顔は真剣そのものだった。
琴鳴「それに亞莎」
亞莎「ひぁいっ!?」
突然名前を呼ばれ、固まっていた亞莎は、ビクンッと背筋を伸ばした。
そんな亞莎の肩に琴鳴は優しく手を置き、
琴鳴「貴女には軍師となって支えて貰いたいの・・・・・・優しすぎる天の御遣いさんを・・・・・・。
その為なら私の持つ全ての智を授けるわ」
とゆっくりと亞莎を落ち着かせるように言った。
しかし、亞莎はその言葉にますます慌てた。
亞莎「て、天の御遣い様!?で、で、でも師兄はそんなものはいないって」
一刀は確かに昨日言っていた。
そんな人間は見ていないと。
琴鳴「あらあら、言ってなかったの一刀ちゃん。自分がそうだって」
困った子ねぇ、とつぶやく琴鳴は一刀に顔を向けた。
そんな琴鳴から―いや、皆から顔を背けるように下を向く一刀。
一刀「・・・・・・亞莎ごめん。でも、皆が噂するような天の御遣いなんていない・・・・・・。
ここにいるのはただの人。何も分からず、何も出来ないそんな―」
思春「自分をそれ以上卑下するな!それはお前に真名を預けた私の―いや、私達に対する冒涜だ!」
一刀「!?」
一刀の言葉を思春の放った突然の叫びが止めた。
誰もが予想しなかった、思春の叫び。
だからこそ余計に一刀はその想いの強さを知った。
そうだった。
思春達は、俺を信頼して真名を預けてくれた・・・・・・。
俺は俺自身を信じることが出来ていない。
でも、俺を信頼してくれる皆のことは心から信頼している。
だから―
一刀「ごめん思春、皆もごめん」
俺はもう少し自分を信じてみるよ。
一刀は亞莎に向き直る。
一刀「亞莎・・・・・・俺は天の御遣い。本物かどうかなんて俺にも分からない。
でも、そう信じてくれる人がいる限り俺は天の御遣いであり続けたい―いや、あり続けるんだ」
まっすぐに亞莎の目を見ながら言った。
亞莎「師兄・・・・・・いえ、師兄は本物の天の御遣い様です。
だって私には師兄がこんなにもきらきら眩しく見えるんですから//////」
頬を赤らめる亞莎に一刀は、
一刀「ありがとう」
そう言って、ニコッと笑いかけた。
亞莎「////////////」
亞莎は長い袖で顔を隠すのであった。
一刀「えーっと、思春さん・・・・・・それで将の件なん・・・です・・・が・・・・・・受けようと・・・・・・」
自分を信じてくれている皆を信じる。
ということで将の話を受けることにしたのだが・・・・・・。
何だか思春の視線が険しくなっているのは気のせいでしょうか・・・・・・。
亞莎「わ、わ、わ、私も師兄の為なら///喜んで副官の任をお受けいたします!」
亞莎は袖で顔を隠したままなので思春の視線に気付いていない。
亞莎の言葉にますます険しくなる思春の顔。
地雷?え、亞莎が地雷踏んだの??
そんな俺のへたれた視線に気付いたのか、背を向ける思春。
思春「ふんっ・・・・・・将になる前に一つ聞いておきたい」
思春は俺に背を向けたままで話かける。
一刀「何でございましょうか?」
刺激してはいけない、ここは丁寧に、丁寧にいこう。
思春「北郷―いや一刀・・・・・・これが最後だ。・・・ただの将として生きるか、それとも天の御遣いとしての将となり生きるのか」
一刀「それって―」
それはおかしな話だった。
俺はたった今、天の御遣いとして生きると決心した。
それは思春も聞いて理解してくれたはずだ。
それなのに何故?
そんな俺の疑問に答えてくれるかのように冬灯が話し始める。
冬灯「兄ちゃん・・・兄ちゃんは前に言ったよな『自分をどんな風に使ってくれても構わない』ってな・・・・・・。
でもな、兄ちゃんはもう俺達の仲間―いや、家族みたいなもんだ。家族を利用しようなんて思わねぇ。
もう一度聞くぜ、兄ちゃんは・・・・・・どうする?今なら天の御遣いとしてじゃなく普通の将としても生きていける。
その方が兄ちゃんの―いや、自分の道だ・・・・・・考えてみな」
皆の視線が俺に集まっている。
冬灯の、思春の言いたいことも分かった。
天の御遣いとして将になるということ。
もしかしたら何万、何十万の命を背負うことになるのかもしれない。
自分一人に支えきれるものじゃないと思う。
だから思春は、あえてもう一度聞いたのだろう。
でも―
一刀「答えは決まっている。俺は将としても、天の御遣いとしても生きる。もちろん皆が信じてくれてるんならだけど」
一刀は笑顔と共に答える。
思春「・・・・・・信じていなければ真名など預けん///」
冬灯「もちろん信じてるぜ兄ちゃん///」
琴鳴「あらあらまあまあ///貴方は私の信じる自慢の教え子よ」
亞莎「一刀師兄・・・眩しいです///私は師兄に付いて行きます、どこまでだって」
皆それぞれにに答えてくれる。
一人じゃない。
信じてくれる人達がいる。
それなら俺はどんな虚勢でも張ってみせる。
どんなに辛く険しい道であっても。
一刀「なあ、本当に俺、この格好で出るのか?」
外には、集められた100名の兵が整列している。
今から、俺はこの兵達の前に出なきゃいけない。
将として。
天の御遣いとして。
一刀は自分の格好を見直す。
持って来いと言われていた学生服を着ていた。
そして腕には―
亞莎「師兄・・・輝いています///」
輝いている・・・・・・か。
確かにね。
・
・
・
将となると言った後、餞別ということで見覚えのある木箱を渡された。
一刀「あれ?これって確かこの前の・・・・・・」
冬灯「そうだぜ兄ちゃん。兄ちゃんが助けた商人が届けてくれたもんだ。
お頭に頼まれてな、琴鳴姉ちゃん迎えにいったときに注文したんだぜ。
いずれ将になる兄ちゃんが一日でも長く生きられるようにって」
思春達と出会って間もない頃の話、つまりはその頃から俺を将にするつもりだったのか。
一刀「そんなにも前から・・・・・・ありがとう思春」
思春「ふんッ・・・・・・//////」
俺の言葉に思春は顔を背ける。
一刀「それで中身はっと―」
箱を開けた瞬間、目が合った。
箱の中の目と。
いや、箱の中にある手甲に映る自分と。
箱の中から取り出し、皆に見せるよう腕に装着してみせる。
琴鳴「あらあらまあまあ、綺麗ねぇ」
亞莎「師兄・・・・・・格好いいです」
冬灯「そいつの名は『奉天(ほうてん)』・・・・・・兄ちゃんの為に作らせたもんだ」
冬灯の言葉は途中から聞こえていなかった。
一刀は、自分の腕にある手甲を食い入るように見ていた。
手の甲から肘の関節までを覆う手甲。
金属の板を何枚か節のように繋ぎ合わせ、丸みを帯びた作りになっている。
これは、攻撃を受け流す為に作られたものだということが分かる。
でも、言っちゃ悪いがダンゴ虫に似ている気がするな。
というか、昔読んだ『る○う●剣心』に出てきた『無敵鉄甲』によく似てる。
そして、思ったより重くない。
外側以外がなめし皮で作られているのだろうか、動きを制限する感じも全くしない。
だが、そんなことより何より特徴的なのはその表面である。
職人が磨きに磨き上げ、まるで鏡面といってもいいほどに周りの景色を反射していた。
冬灯「あと・・・これも渡しとくぜ」
そう言って冬灯は俺に小袋を渡す。
一刀「これは?」
袋を持った時の感触は軟らかい。
というよりも袋の中でサラサラしている。
冬灯「磨き砂だぜ。『奉天』が傷ついたら自分で磨いて綺麗にしとけよー。じゃないと格好つかねぇからな」
冬灯はニヤニヤしながら言ってくる。
・
・
・
思春「―『天の御遣い』直属の隊となる」
―ザワ、ザワザワ
兵達の前に立っている思春の言葉と、兵達のざわめきが俺の心を縛る。
琴鳴「大丈夫よ一刀ちゃん、落ち着いてやれば」
冬灯「どーんと、かましてこいや兄ちゃん。最初が肝心なんだからよ」
2人は一刀の肩をを叩く。
勇気付ける意味を籠めて。
亞莎「そ、そ、そ、そ、そうですよ師兄。む、むしろ、師兄より私の方が・・・・・・」
そんな亞莎の様子を見ていると何だか落ち着いてきた。
思春「・・・・・・来い」
呼ばれた。
一刀「さっ、俺の精一杯の『天の御遣い』を見ててくれよ、皆!」
一刀は船から出る。
自分を待つ人達の前に立つ為に。
拠点・呂蒙01
『貴方と一緒に』
北郷隊発足からそんなに日が経っていないある日のことだった。
朝早くから、亞莎は一人、楼船の甲板の上にいた。
気持ちの良い晴天が広がっているが亞莎の顔は曇っていた。
亞莎「はぁ・・・・・・」
どうして自分はこうなんだろう。
突然決まった副官という自分にはあきらかに荷が重い役職。
今まで考えたこともなかった軍師への道。
私なんかに務まるわけがない。
率いる側ではなく、常に率いられる側の人間、それが自分。
戦場で敵を倒して生き残る。
それしか考えてこなかった。
そして何より、師兄―一刀のこと。
天の御遣いと知らずに出会い、そしてその智を知り、純粋に凄いと思った。
この人のようになりたいとも思った。
でも、だからこそ私なんかが副官で一刀に迷惑をかけないだろうか。
一刀や琴鳴は、亞莎なら出来る、貴女なら大丈夫と言ってくれる。
でも、自分には何が大丈夫なのか分からない。
そんな様々な思いが頭の中でグルグルと渦巻いていた。
亞莎「はぁ・・・・・・」
また自然と溜め息がもれる。
そんな時、
一刀「亞莎―」
後ろから私を呼ぶあの方の声がした。
・
・
・
一刀「ふぁあーあ、今日も良い天気だなーっと。おっ、あれは―」
珍しく早く目が覚め、欠伸をしながら甲板に出てみると、そこには先客がいた。
あの後姿は、亞莎だ。
そう思ってのんびりと近付き、のほほんと声をかける。
一刀「亞莎、おは―」
亞莎「ひぁうっ!?」
朝の挨拶をしようとしただけなのに、妙な悲鳴を上げられてしまった。
一刀「ととっ、ごめん亞莎。驚かせちゃったみたいだね」
亞莎「か、か、か、一刀師兄!?あっ、お、おはようございます!」
亞莎は、身体一杯で礼をしてきた。
一刀「うん、おはよう。こんな朝早くから何をしていたんだい亞莎」
俺の言葉に亞莎の表情が少しずつ曇っていく。
一刀「い、いや、言いたくないんなら別に良いんだけど・・・俺が近付いても気付かないほど何か考え事をしてたみたいだから」
その言葉に亞莎は目を伏せてしまう。
一刀「亞莎?」
亞莎「・・・・・・師兄、ご心配をかけたみたいですみません。でもこれは私の問題です。だから―大丈夫です」
そういう亞莎の顔は苦しげで、本当に辛そうだった。
一刀「亞莎・・・・・・そんな苦しそうな顔をして大丈夫って言われても駄目だよ。
俺じゃあ頼りないかもしれないけど、聞くだけなら俺でもできるよ」
亞莎「そんな!・・・・・・師兄は頼りなくなんて・・・・・・師兄は、師兄は私の・・・憧れです///」
そう言うと亞莎の顔は袖で見えなくなってしまった。
一刀「ありがとう亞莎、そんな風に言ってくれるなんて、お世辞でも嬉しいよ」
亞莎「お世辞なんかじゃないです!本当に師兄は私の憧れなんです!だから―だからこそ心配なんです。
私なんかが師兄のお側で、副官だなん・・・て・・・・・・迷惑を・・・おかけすると思うと・・・・・・」
勢いよく俺の言葉に反論したかと思うと、亞莎の声は段々と小さく弱いものへとなっていった。
その瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。
一刀「亞莎―」
一刀の右手は自然と亞莎の左頬へと伸びていた。
亞莎「す、師兄!?」
一刀「大丈夫、亞莎なら大丈夫。頑張っていこう、一緒にさ。俺も初めて人を率いる。とっても不安なんだ。
でも亞莎が一緒にいると思うだけで頑張れるんだ。亞莎は、一人じゃないんだ。初めて同士、一緒に頑張ろう」
亞莎「師兄・・・・・・私、師兄と一緒なら頑張れると―いえ、一緒に・・・・・・頑張りたいです」
目に涙を浮かべた亞莎の顔はとても綺麗な笑顔だった。
一刀「///亞―」
思春「それで・・・・・・一体何を一緒に頑張るのだ?」
俺の真後ろから思春が出現した。
亞莎「ひぁうっ!?し、思春さま!?あ、私・・・し、し、し、失礼します!!」
突然の思春の登場に、我に返った亞莎は、自分の頬に一刀の手があることを思い出し、飛ぶように走っていった。
思春「それで・・・・・・初めて同士、何を一緒に頑張るのだ?」
思春は笑顔だった。
しかし、それは見るもの全てを凍りつかせてしまう、異様な覇気を纏ったものだった。
その日、一刀の姿を見たものは・・・・・・・・・あまりの憐れさに涙したという。
北郷隊が発足して、数週間が経っていた。
発足したてということもあり、琴鳴率いる魯粛隊と合同で街の治安の改善を行っていた。
以前、琴鳴に言われていた警備部隊の新体制の草案を見せたところ、
琴鳴「―これは・・・・・・予想外だったわ」
そう言われ、怒られるかと思いきや、その日から俺の案を骨組みとした警備部隊の新体制作りが始まった。
その責任者は、将になりたての俺・・・・・・というのは流石に拙いということなんで琴鳴がその任を受けた。
治安が改善されるようになってきた頃、その案の発案者が天の御遣いである俺ということが世間に広まっていた。
それにより、「民のことをよく考えてくれる」と、俺の名声はいつの間にか上がっていたのだ。
本人のあずかり知らないところで。
最初は俺が天の御遣いであるという噂に懐疑的だった街の人々の目も、
好意的なものに変わり、『御遣い様』と気軽に声をかけて貰えるようにもなっていた。
俺はそれが嬉しく、夢中になって世のため人のため、治安維持のために働いていた。
そんなある日、俺は再び思春達に呼び出され亞莎と共に船長室を訪れていた。
思春「来たか、北郷、亞莎」
部屋に入るといつものごとく、思春、冬灯、琴鳴の3人が待っていた。
冬灯「おう、兄ちゃん。仕事上手くいってるみたいだな。それに亞莎も勉強頑張ってるみたいだな」
一刀「まあ、おかげさまで、亞莎共々頑張っているよ」
亞莎「はい!一生懸命勉強させて貰っています」
軽い挨拶をしながら俺達は笑いあう。
琴鳴「では、本題に入りましょうか。一刀ちゃん『黒頭団』って覚えてる?」
一刀「黒頭・・・・・・ああ、あの時の」
確か琴鳴を迎えに行った時の帰りに出会った黒い服の集団だったはずだ。
商売敵だっけな・・・・・・そういえば黒頭団の頭領って2人いるって聞いていたが誰なんだろう。
琴鳴「今回は北郷隊で黒頭団との交渉に行ってもらいたいの。交渉内容は唯一つ、黒頭団を取り込むことよ」
冬灯「前から俺が交渉に行ってんだが、なかなか首を縦に振りやがらねぇ。後もう一押しって感じなんだけどよ。
そこでだ、今回は最近名も売れてきた天の御遣いさんに行って貰おうじゃねーかってな」
思春「・・・・・・期限は、成功するまでとする。成功するまでの帰還を一切認めない」
亞莎はすぐさまその言葉に反応した。
亞莎「それって、成功するまで帰って来るなってことじゃないんですか?」
そう、思春はそう言っているのだろう。
それほど大切な―失敗の許されないってことなんだろうか。
思春「そうだ・・・・・・どうする北郷。やれるか?」
思春は挑むようにこちらに目を向ける。
その目は、お前なら出来ると言っているようだった。
一刀「・・・・・・もちろん行くよ、それが思春の―皆の為になるんならね」
思春「では・・・・・・北郷隊隊長、北郷一刀。これより黒頭団を降せ。方法は貴様に一任する。・・・・・・頼んだぞ一刀」
真剣な思春の言葉に俺は精一杯の気持ちを乗せて答える。
一刀「応ッ!!」
<あとがき>
毎度この駄文を読んでくれている方々には変わらぬ感謝を
初めてっていう人には、最初から宜しくという思いを
隅々まで呼んで誤字脱字の指摘や感想などのコメントをくれている方々には変わらぬ妄想を
どうも本当に投稿に一週間かかってしまったMuUです。
ドウモスンマセンデシタ
いやー、今回時間がかかった割りに・・・・・・・・・・・
全員分の拠点を書こうと思ってたのに結局亞莎のみ
でも、亞莎いいよ亞莎
一刀への新しい呼び方『師兄(すひん)』
兄弟子って意味だったかな
そして一刀くんの武具『奉天(ほうてん)』
鏡面仕上げでミラーな手甲です。
特殊効果は光を反射するだけ。
それなりに防御力もあります。
でもやっぱり傷つくので磨き砂は必須なんです。
後は武器を持たせたら・・・
くくくっ、それでもそこまで強くはなりませんね。
とりあえず反董卓連合くらいまでのプロット?らしきものの考えが纏まりました。
どうにかいけそうな気がするぅ〜♪
次回は、随分前にちょろっと出した『黒頭団』を仲間に引き入れるために一刀くんご一行は長江を進みます。
これからもどうぞ宜しくお願いします。
説明 | ||
お久しぶりの投稿♪ 拠点?何のことですか? 追記:お気に入り登録者数が100人越えたのを機に叱咤激励のコメントいただいている皆様に 感謝の意味も籠めてしっかり返信したいと思っています。 これからも宜しくお願いします。 ではではお楽しみください。 |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
4290 | 3506 | 80 |
コメント | ||
デレに続きヤン化まで・・・このこの外史の思春は高性能すぎるとおもいます!www(rikuto) ブックマン様:ある意味、一刀くんの王道かと・・・・・誰かしらの怒りも併せてねw(MuU) 理想を語ってあとスマイルで決まりです。そして思春は激怒w(ブックマン) リアルG様:蓮華とは違うのだよ蓮華とは・・・・・・スミマセン調子に乗りました。(MuU) 思春のヤン化…………しゃ、洒落になっておらんぞぃw(リアルG) motomaru様:可能性は零ではありませんね・・・・・・無限大です!!(MuU) jackry様:思春さんは自分が嫉妬していることにお気付きではありません。誰か教えてあげてくださいw(MuU) まあ、ヤン華がいるくらいだから、これはヤン化の可能性大か!!(motomaru) nanashiの人様:周囲の評価は変わるでしょうが本人にとってはいつまでも『なんちゃって』なんだと思うんですよね。私の解釈的にですけどw(MuU) ヨーゼフ様:さすがにあそこまでは・・・・・・なるかもw(MuU) トーヤ様:それだけ一刀のことが思春の中で大きくなっていると思ってくださいw(MuU) なんちゃって天の御遣いの道いよいよスタートw なんちゃってがとれるのはいつになるのか・・・(nanashiの人) 思春・・・いずれ自分の主のようになるのだろうかw (よーぜふ) 思春のデレが回を重ねる度に激しくなっていくような(トーヤ) st205gt4様:完全なるデレが開放まであと少しですかね。決してヤンデレには・・・(MuU) タツオ様:私も正直お話を考えるのは得意なんですが文章力がないために、どうしても台本みたいにしないと描写が伝わるかどうかが不安で・・・。でもちゃんと意見をコメントとして書いてくださりありがとうございました。精進しますよー!(MuU) thule様:私も最近あらすじの方がメインじゃないかと考えるようになってきましたw(MuU) ようやく御遣い様レベルに到達さらなる仲間がふえるか?思春デレが少しずつ・・(st205gt4) お話はとても好きです。ただ台本タイプな書き方と//////の多用は正直萎えます。(タツオ) (v^ー゜)ヤッタ!! 本文読むよりあらすじを読むのが楽しみなってきた今日この頃・・・・(thule) |
||
タグ | ||
真・恋姫†無双 二次創作 甘寧 丁奉 魯粛 呂蒙 錦帆賊 | ||
MuUさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |