新ビーストテイマー・ナタ103 |
フラウは重役出勤で少し遅れて執務室のある邸へ、やって来ました。玉座に腰掛けてため息をつきます。そこへ、先に出勤していたゲイザーがやって来て尋ねます。
「フラウ、母上は何と仰ってましたか?」
「結局、はぐらかされて肝心な話を聞けなかったわ…」
「母上は言いたくない事があると、まるでそよ風に揺れるカーテンのようにのらりくらりと躱しますからね…」
「なんだか私の悩んでいる事が馬鹿らしく思えて来て、お母様のような女性に憧れます」
「フラウは母上とよく似ていますけどね」
「私なんてゲイザー様のお母様に似ても似つかないですよ」
「ミカエル様も母上に似ているな、と思っていたのですが、言いたくない事を隠すのが、お上手です」
「ミカエル様は女性ではないと仰ってたのに、お母様に似てると言われるのは、どういう意味です?」
「どうしてもミカエル様が女性に見えてしまうので…」
「ゲイザー様のミカエル様を見る目も…。あれは恋をしている目でした!」
「もう、ミカエル様の事を話すのはやめにしましょう」
「はぐらかさないでください!ゲイザー様もお母様と同じで話したくない事から話を逸らすのがお上手ですよ」
「私は母上ほど上手くはありませんけどね…」
「ゲイザー様はお母様が理想のタイプなのですよね?」
「うーん、男は大体マザコンですので、母親に似た女性を選ぶものですよ」
「はぁ…、私はファザコンではないと思っていたのに、最近のゲイザー様を見てるとフォン様にそっくりでイラっとくる時があります」
「イラっとしていたとは気付きませんでした」
「ゲイザー様は好みのタイプの女性がいると鼻の下が伸びています!」
「はっ!そうだったのですか…」
「やっぱり!ミカエル様はゲイザー様の好みのタイプなのでしょう?」
「上手いこと嵌められた気がしますね。確かに好みのタイプではありますが、ミカエル様は女性ではないのですよ…」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第103話です。 | ||
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