新ビーストテイマー・ナタ105
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昼休みになってナタはパンを買うと、一人寂しく食事をしています。ナタの肩に乗っているピーターにちぎったパンを与えました。

 

「ねぇ、ピーター。どうして前みたいに喋らないの。私の事嫌いになっちゃったから?」

 

ピーターはパンをもぐもぐしながら、ナタの方を見上げて、こう言います。

 

「チュウチュウ」

 

「ネズミみたいな鳴き声…。前みたいに喋ってよ」

 

「チュチュチューチュー!」

 

「ピーターがなんて言ってるのか、私にはわからないよ…」

 

突然、ピーターは猛ダッシュで走り去って行きました。

 

「ピーター!どこへ行くの?もしかして私の事嫌いになったから、いなくなっちゃったの…」

 

夕方になってアークが迎えに来ると、しょんぼりしているナタが門前に現れました。

 

「どうかなさいましたか?ナターシャ様…。まさか!またいじめられて…」

 

「違うの…。ピーターがいなくなっちゃった」

 

「ピーターと言うのは使い魔のウェアラットの事ですか?」

 

「うん、急に走ってどっか行っちゃった」

 

哀しみを抑えていたはずのナタの瞳から、ポロポロと大粒の涙が溢れ始めます。

 

「ピーターを探しに行きましょう!」

 

「ううん、私が嫌になったなら無理やり連れ戻したくないよ…」

 

「ナターシャ様の事を嫌になるはずがありません」

 

「ピーターが帰りたくなったら帰って来ると思う」

 

「では帰って来るのを待ちましょう」

 

その日の晩の事です。ゲイザー邸に見知らぬ少年が現れました。アークがドアの前で応対します。

 

「よお!アーク。ナタはいるかい?」

 

「どちら様でしょうか?ナターシャ様はお勉強中です」

 

「オイラ、ナタに会いに来たんだよ?中に入れてくれよ!」

 

「申し訳ありませんが、お引き取りください」

 

「チッ!てめぇの事は前から気に入らなかったんだよ?オイラの事、魔法屋で売り飛ばそうとしやがって」

 

「何のことを言っているのか私にはサッパリです。お名前を伺っておきます」

 

「オイラの名前かい?ピーターだ」

 

「ピーター?どこかで聞いたことのあるような名前ですね」

 

…つづく

説明
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第105話です。
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