新ビーストテイマー・ナタ139
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ゲイザーは執務室の金庫にしまってあった、黒髪の妖艶な占い師の描かれたカードを取り出すとナタに手渡しました。

 

「良かったらこのカードも、その箱の中に入れて置いてくれないか?」

 

「占い師ミケーラ?おじさん、なんでこんなカード持ってるの?って言うか、何このカード!インテリのステが高すぎるんですけど!」

 

「ユリアーノ様からいただいた大事なカードなんだ。この金庫では簡単に開けられてしまいそうだし、その箱に入れて置いてくれ」

 

「なんでおじさんばっかり…。こんな良いカードもらえるの?ずるーい!」

 

「それは最後の切り札になるかもしれない大事なカードだからなくしてはいけないよ?」

 

「うん、わかったー!」

 

ナタは家には帰らず、森の中で宝石箱を開けるとアークを召喚してあげました。

 

「ごめんね。なんか大人の都合みたいだから、家にはもう入れてあげられないんだって」

 

「気にしなくていいよ。ゲイザーには感謝してるんだ。ナタと会う事まで禁止にされなかっただけマシだよ?」

 

「この占い師ミケーラってカード、召喚してみたいなぁ。すごく綺麗な女の人だよね!」

 

「それは…!そんなカードいつの間に手に入れたんだい?」

 

「うーん、おじさんから預かってるの。ほら、所有者名のところはゲイザーって書いてあるでしょ?」

 

「所有者名を書き換える事は出来ないのか?」

 

「うーん、他人のカードを勝手に書き換えるのは禁止にされてるけど、やろうと思えばできるかも?」

 

「このカード、なんだかとても嫌な予感がするよ」

 

「えっ、どうして?カオス属性だから、ルシファーと同じだけど…。カオスとロウのビーストは一緒に召喚できないから気を付けないとね」

 

「僕はカオス属性になってしまっていたのか」

 

「うん、前はアークエンジェルでロウ属性だったよね」

 

「名前も書き換わってしまっていたのかな?」

 

「うん、堕天使ルシファーになってたよ」

 

「ゲイザーは何属性なんだい?」

 

「おじさんはニュートラル。カオスとロウのどっちでもないよ。ピーターもニュートラルだけど、ジョルジュはカオスだから、アークがいると出せなかったの。反発すると良くないから」

 

「ふむ、だからあの犬は僕に懐かなかったんだな」

 

「今はカオス同士だから仲良くなれると思うんだけど、ジョルジュはよその家の子になっちゃったから…」

 

「このカードはジョルジュのものでは?」

 

「うん、でも所有者名がゲイザーになってる」

 

「所有者名が違うと呼び戻すことも出来ないのか」

 

「召喚も呼び戻すのも主人にしか出来ないよ。勝手に書き換えるなんてお師匠様、酷いよ…」

 

「僕のカードは書き換えられていなかったようだが…」

 

「カードに封印する為には無理やりにでも服従させないとダメだからね。アークは絶対に服従しないでしょ?」

 

「ユリアーノと刺し違えてでも拒否するだろうな」

 

「だからアークは書き換えずにそのままにして置いたんだと思う。今のアークの戦闘力、お師匠様より全然高いし…」

 

…つづく

説明
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第139話です。
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