新ビーストテイマー・ナタ【おまけ4】
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飲み会が終わってゲイザー邸に帰宅すると、ナタの部屋はもう真っ暗になっていました。玄関に回っても無駄だと思ったので、アークは壁に手を掛けてロッククライミングで二階までよじ登ります。ナタの部屋のベランダに来ると窓をコツコツと叩きました。カーテンが開いてナタが窓を開けます。

 

「アーク!どうやってここまで来たの?翼もないのに…。今日はもう帰ってこないのかと思ったから寝ようとしてたところだよ?」

 

「一般民家はセキュリティが甘い。番犬のジョルジュもいなくなっていたから、簡単に侵入できてしまった。遅くなって、すまない…」

 

「今までジョルジュが守ってくれてたんだね」

 

「ああ、ジョルジュがいたらこうは簡単に行かなかった。しかし要人の家がこんなに警備がずさんで良いものだろうか…」

 

「うーん、マルヴェールはアラヴェスタより治安が良いし、大丈夫じゃない?」

 

「僕が悪質なストーカーだったら、ナタは今頃どうなっていたかわかるかい?」

 

「そうだね、アークは良心的なストーカーで良かったわ…」

 

「僕はストーカーじゃないよ?」

 

「自覚がないところがまさにストーカーの特徴ね。雑誌の特集にも書いてあったし」

 

「ゲイザーの奴が僕を家から締め出したから悪いんじゃないか!合鍵も取られてしまったし」

 

「待ってて、今カードを取って来るから」

 

ナタが背を向けるとアークは後ろからナタを抱き締めました。ナタの首筋に息が当たります。

 

「まだカードには封印しないでくれ。もう少しこうしていたいんだ…」

 

「アーク、少しお酒くちゃい…」

 

「大人の付き合いがあるんだ…。僕の上司の議長殿は本当に良い人だよ?」

 

ナタが振り向くとすかさずキスをします。月明かりで照らされていました。

 

「アーク、ここにキスマークが付いてる」

 

「えっ?これは…いつの間に!」

 

服の襟に口紅の跡がベットリと付いています。

 

「ふーん、そう言う事か…。よくわかったわ」

 

「違う!誤解なんだ…。聞いてくれ、ナタ!」

 

「それ以上、入って来ないで!おじさんとの約束破ったら、おじさんに言い付けてやるんだからね!」

 

…つづく

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つづきのつづきになります。
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