裏ビーストテイマー・ナタ3
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アークがギルバートのいるところに戻って来ると、鼻で笑われました。

 

「あの程度で堕とせると思ったのか?お前には失望したよ」

 

「うーん、さっきのはちょっとシチュエーションが良くありませんでした。もう一度チャンスをください。既婚者のようでしたので、人前ではいくら口説いても堕ちませんよ?」

 

「あのシスターは既婚者だったのか?話し声はよく聞こえなかったが…。神に仕える身が聞いて呆れるな」

 

「よろしければギルバート様が女性を口説く方法のお手本を見せてくれませんか?」

 

「いいだろう。今夜、酒場に行ってバニーガールを口説くのを見せてやるよ?」

 

その晩、ギルバートはアークと一緒に酒場に行きました。店に入った途端にバニーガールはヒソヒソ噂話を始めます。

 

「あの騎士様、背中に翼があるんだけど、マジで天使なの?美し過ぎるわ」

 

「天使なんか現実にいるわけないじゃない?きっと背中の翼は飾りよ」

 

ギルバートは一番可愛いバニーガールを指名して店の奥に呼び出しました。アークは少し離れた場所で心眼を使って様子を見ています。

 

「天使様!お酒をお注ぎしましょうか?」

 

「いえ、私は酒を飲んだ事は一度もありませんので…」

 

「それじゃ私とお話しましょ?お連れの方はナンバーワンの娘を指名して奥へ行ってしまわれましたし…」

 

「一人でゆっくりしたいので、しばらく向こうへ行っててもらえますか?」

 

「す、すみません!天使様」

 

店の奥ではギルバートがナンバーワンの体をいやらしい手つきで撫で回しながら口説いています。

 

「なあ、良いだろう?今夜、店が終わったら私と宿屋に行こう」

 

「うーん、どうしよっかなぁ…」

 

「何でも欲しい物を買ってやるぞ?」

 

「何でも?欲しい物は大体、他の人にもらっちゃったから思い付かないわ」

 

話し声までは聞き取れませんが、ナンバーワンに無理やりキスしようとして拒否されているのが、アークの心眼ではハッキリと見えました。結局、口説き落とせずにギルバートはアークの隣の席に戻って来ます。

 

「ダメだ…。あの女は口説いても落ちそうにない」

 

「では次は私があの女性を口説きに行って来ますよ?」

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第3話。
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