裏ビーストテイマー・ナタ4
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アークがナンバーワンを指名すると、嬉しそうに腕に絡みついて来ました。

 

「指名してくださってありがとうございます」

 

「奥に行きましょうか?二人だけで話がしたいのです」

 

「嫌な客の相手をずっとしてたらストレスが溜まっちゃって、天使様みたいに素敵な方とお話できるなんて、今日は超ラッキーデーかも!」

 

「今、あなたの瞳を見ていたら、私の顔が映っていたのです。私の瞳にはあなたの顔が映っていますか?ちょっと見て欲しいのです…」

 

「えっ、よく見えない…。映ってるのかなぁ」

 

「もっと近付いてよく見てください」

 

ナンバーワンが顔を近づけて来たので、アークがどさくさに紛れてキスをすると、少し怒ったフリをしながら言いました。

 

「もう!天使様ったら…。私を騙したのね?」

 

「すみません…。あまりにもあなたが美しかったので、つい…」

 

「ふふ、良いわ。今夜、店が終わったら店の前で待っててね?二人で宿屋に行きましょう…」

 

アークはギルバートのいる席に戻って一部始終を報告しました。

 

「あの女…最初からお前に気があるそぶりだったからな。おそらくお前が好みのタイプだったんだろう?好みのタイプが口説けば、どんなに下手な口説き方でも落ちるさ!」

 

「そうですか…。大体、いつも簡単に堕とせるんですが、あのシスターは簡単には落とせそうにないです」

 

「既婚者だとか言っていたが、一体どこのどいつが口説き落としたんだ?そいつの顔を見てみたいものだな。お前にも落とせなかったくらいだから、相当良い男なのだろう」

 

「うーむ、そう言われると…。なんだか私のプライドが傷付けられました」

 

「悔しいが私も顔はお前には負けるからな。その顔なら女を口説くのは簡単で良いな?」

 

「それではまるで私は顔が良いだけで女を落とせる。口説くのは下手だと言われてるように聞こえます…」

 

「実際にそうだろう?顔が良いだけで女はいくらでも寄って来るからな。お前が連れじゃなかったら、もう少し女を落としやすいのだが…」

 

次の週もまたシスターたちがスラム街に現れたので、物陰からアークとギルバートは覗いていました。

 

「今日はこっそり跡をつけて、あのシスターを口説き落とした男の顔を確かめて来ます」

 

「そうだな、お前には翼があるから追跡可能だろう。あの白い肌の娘が魔物を召喚するようだから十分に気をつけろよ?」

 

「と言うことは…あの娘はビーストテイマーなのですね。ビーストテイマーには嫌な思い出しかありませんが、あの娘からは悪しき心を感じない。不思議だ」

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第4話。
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