裏ビーストテイマー・ナタ5
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アラヴェスタから少し離れた場所で、ナタがルーシーを召喚しました。アークがついて来てる事にフラウはすぐに気づきます。

 

「あの天使がついて来てるわね…。私、あの手の男はちょっと苦手なタイプだわ…」

 

「本当だ。イケメンのストーカーって珍しい!大体、ストーカーするのって醜男だからねー」

 

「なんだか邪なオーラを感じるの。神に仕える天使なのに不思議ね…」

 

「そうなの?ナタには邪悪な波動は見えなかったけどなぁ」

 

アークが敵の偵察だと言うのに気にも留めず、マルヴェールに帰りました。アークはゲイザー邸の上空で旋回します。

 

「ここは…前に見つけた獣人の国だな。オズワルド様に教えるのは癪だから黙っていたが、まさかシスターが獣人の仲間だったとは…」

 

窓から中を覗き見します。ゲイザーとフラウが楽しげに話していました。ナタは子供の姿に戻っています。アークは心眼で、ナタが本当は六歳である事は最初から見抜いていました。

 

「あの男は!賞金首のゲイザーではないか…」

 

「ガウガウガウガウ!」

 

「チッ!番犬が吠えている…。これ以上、ここにいては危険だ」

 

オズワルド邸に戻るとギルバートも戻っていました。首尾を尋ねられます。アークは獣人の国を見つけた事を話すべきか迷いました。オズワルドに手柄を立てさせたくないからです。

 

「どうだった?アーク」

 

「あのシスターの夫はゲイザーのようでした」

 

「ゲ、ゲイザーだと?あのシスターがゲイザーを匿っていたのか!どこに隠れていた?早く教えろ!」

 

「腑に落ちません…。ゲイザーに口説き落とせる女を私が堕とせないはずがない…」

 

「確かにゲイザーごときにどうやってあのシスターを口説き落とせたのかわからんな。酒場のバニーガールよりも手強い女だと言うのに…」

 

「そんな事はどうでも良いわ!ゲイザーの居場所を教えろ?国王に報告すれば大手柄だぞ…」

 

「そんな事だなんて…。私にとってはとても重要な事なのに…」

 

「ゲイザーがどこにいたか吐け!吐かないならこうだぞ?」

 

オズワルドが呪文を詠唱したので、アークが呪いの苦痛で苦しみもがき始めたのを、ギルバートもせせら笑いながら見ていました。

 

「結局、吐きませんでしたな…」

 

「いつもこうなんだ。どんなに痛めつけても言う事を聞かない」

 

「こう言う頭脳派タイプの男は力でねじ伏せても無駄ですよ?」

 

「ならばどうすれば良い?」

 

「知能の低い男なら褒美を与えれば言う事を聞くんですが、知能の高い男は褒美では言う事を聞かないので厄介です」

 

アークは死んでも獣人の国の場所を言うものかと口を噤んでいました。

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第5話。
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