裏ビーストテイマー・ナタ10
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酒場に出勤したバニーガールがアークの姿に気付いてそわそわしていると、バーテンダーをしている店長から注意されました。

 

「特定の客にこだわるのはやめなさい。今はあなたがナンバーワンですが、そんな態度では客が離れていきます。女は愛嬌が一番大事なんだよ?覚えておくように」

 

「でも、今日はあのお方が指名してくれないから、気になって気になってしょうがなくて…」

 

「どうやらご友人と話す為に来店されたようですから、くれぐれもお客様の会話に割り込んで邪魔をしないように!」

 

店長がカウンターに戻ると、控え室にいた他のバニーガールからも話しかけられました。

 

「あの天使様と仕事が終わった後に待ち合わせして、二人っきりで宿屋に行ったんでしょ?」

 

「ええ、でも良いところでやめてしまわれて、こんなモヤモヤした気分にされたのは生まれて初めてよ…」

 

「うちの店は本番は禁止だったはずよ?店長に聞かれたら怒られるわよー」

 

「だからこの店を職場に選んだんだけど、あのお方となら別にしても良いかな?って思っちゃって…」

 

「ギルバート様もやらせろってしつこくて困っちゃうわよねー。他の店行けって思ったわ!」

 

「うちの店はマスターがしっかりしてるから、客の質は良い方なんだけど、たまに勘違いしてるおじさんが来るからなぁ」

 

夜も更けて来たので客が増えて来ると結局、アークから指名はされずに、三人は店を出て行きました。

 

「ああ、天使様が帰っちゃう…」

 

「いい加減にしなさい!ちゃんと仕事をしないならクビにしますよ?」

 

「今まで色んな客から口説かれてうんざりしてたけど、こんな気持ちにされるなんて…天使様の意地悪!」

 

アラヴェスタ城の前まで来ると、ロレインが処刑台の上の柱に縛り付けられていました。

 

「母上!今、行きます」

 

ゲイザーが柱の縄を解こうとしていると、処刑台の周りをぐるりと騎士団の者に取り囲まれました。

 

「テオドール、お前がゲイザーの首をはねろ」

 

「えっ、私がですか?しかし、まだゲイザーの妻のフラウと言う女をおびき寄せなくてはならないので、ゲイザーは人質として生かしておいた方がよろしいかと…」

 

「おびき出すのなどいくらでも手はある。こいつは生かしておくと危険だ」

 

「テオドール!私を裏切ったのか?親友だと思っていたのに…」

 

「すまない、ゲイザー。私の恋人が人質に取られているんだ…」

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第10話。
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