裏ビーストテイマー・ナタ17 |
テオドールの震えがおさまらず、恋人もすすり泣き始めました。
「どうしてこんな事になってしまったの?私たちが一体、何をしたって言うの?昨日まで幸せに暮らしていたのに…」
「私は今、昨日よりも幸せだよ?こうしてお前を抱いているのだから」
「私も幸せ…。でもこの幸せが明日にも壊れてしまうかもしれないのが怖い…」
「私はきっと神の罰を受けているんだ。ゲイザーのように他人の間違いを言い正せる人間は少ない。そして他人の間違いを指摘すると嫌われて攻撃を受ける。私はそれが怖くて何もせずただ見ていただけなんだ。それが私の罪だよ?」
「あなたが罪人なら、この世の人間はほぼ全てが罪人になってしまうわ!」
「そうだよ?人間は全てが罪人なんだ。自分は正しいと思い込んで生きているに過ぎない…」
「私も罪人なの?だから今、私も罰を受けてるって言うの?あなたを失うのが一番の罰よ…」
「私は他の女性に対して冷たい態度を取り過ぎた。誘われても好きな女性がいるからと断ってね。それがいけなかったのだろうな」
「それのどこがいけないの?ホイホイ誘いに乗る男の方が嫌だわ!あなたは私の理想の男性なの」
「いや、私が思わせぶりな態度を取っていたのも良くなかったのだよ?それを逆恨みされて、今回のスパイ疑惑の密告をされたのだと読んでいる…」
「そう…テオは優しいから勘違いされてしまったのね」
「実は…ゲイザーとコンビを解消した理由なのだが、奴が男色家だと噂が立っていてね、私はそれを間に受けてしまったんだが、飛びっきりの美人のフラウと結婚したと聞いて濡れ衣だと悟ったよ。ゲイザーには悪い事をした…」
「ふふ、女性はそう言う噂が大好物だから…」
「あの後、色んな男とコンビを組んだが、安心して背中を任せられるのはゲイザーだけだったよ」
「本当に信頼していたのね、その親友の事…」
「もしあの時、酒場でゲイザーにギルバートの策の事を教えていたら…、奴はどんな策でギルバートを出し抜いたのだろう?と考えていた」
「テオはその時の事を後悔しているのね」
「もっと他に方法はなかったのか?と、自問自答を繰り返していたよ」
…つづく
説明 | ||
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第17話。 | ||
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