裏ビーストテイマー・ナタ21
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フラウが獣人たちを引き連れてアラヴェスタ王国を襲撃している頃、ナタはユリアーノの塔にやって来ました。

 

「おお、ナターシャ。帰って来たのか?」

 

「おじさんが死んじゃったの…」

 

「なんと!ゲイザー殿が…?それは不運じゃったな。ナターシャが無事で何よりだが…」

 

「うん、だからおじさんを生き還らせたいの」

 

「ナターシャ、蘇生魔法は禁術じゃよ?」

 

「でも天使様が天界におじさんの事を報告したら生き還れるって言ってたよー」

 

「ん?天界じゃとルールがどうなのか、わしはよく知らんが…。第一級魔術師試験では禁術とは何か?それが禁止された理由も併せて述べねばならぬ。覚えておくように…」

 

「はーい!ナタも二十歳になったら第一級魔術師試験受けるね」

 

「それでお前はわしに何か頼みがあって、ここに戻って来たんじゃろう?」

 

「うん、オズワルドって言う悪いビーストテイマーをやっつけるの手伝ってー」

 

「オズワルドじゃと?アカデミーにいた頃、わしのライバルだった男じゃな。同級生は兄の方だが…」

 

「お兄ちゃんの方はおじさんが倒したよー。弟の方が悪い事してるの」

 

「うーん、確かオズワルドの弟の方はパッとしない男じゃったな。ただ世渡り上手なので兄よりも出世したが…。試験も裏金で通ったようじゃし、賄賂を渡して幹部になったと聞いとる」

 

「天使様は呪いで痛い痛いってされてるのー。だからオズワルドって人を倒さないと、天使様はずっと悪い事を手伝わされるんだって」

 

「ふむ、わかった。オズワルドならアラヴェスタ城に勤めておるから、これから一緒に会いに行こうか?」

 

「ありがとう、お師匠様ー」

 

ナタの召喚したルーシーに乗って、アラヴェスタ城に向かうと、城の前で獣人と人間の騎士団員が戦っているのが見えました。獣人の方が人数は少ないのに、人間の騎士団員の方が負けています。

 

「おお、やっとるのぉ。やはりフォンがおると人間の騎士団などひとたまりもないか…」

 

「えっ!お師匠様、獣人の王様と仲良しだったのー?」

 

「ああ、古い仲の友人じゃよ?フォンは曲がった事が大嫌いで性根の真っ直ぐな男じゃった」

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第21話。
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