裏ビーストテイマー・ナタ28 |
翌日、ユリアーノとナタは魔導書と睨めっこしながら、アークにかけられた呪いを一つ一つ解除していました。
「強制送還魔法を解除すれば、天界に戻れるのかのぉ」
「はい、でも一つだけ問題が…。この世界はパラレルワールドとなってしまいます」
「パラレルワールド?」
「私は天使ですので天界と人間界を行き来できますが、仮にパラレルワールドになってしまうと、一度天界に戻ったら私はこの世界に戻れなくなります」
「それってどう言う事?もっとお子ちゃまのナタにもわかりやすく説明して!」
「えっと、ゲイザー様が生き返った世界と、死んでしまった世界に分かれます。生き返った世界には別のナターシャ様がいて、ゲイザー様と一緒に暮らせますが、この世界のゲイザー様は死んだままと言う事になります」
「それじゃもうこの世界のナタはおじさんに永遠に会えないって事?」
「はい、でも別の世界のナターシャ様はゲイザー様と暮らす事が出来ます」
「そんなのやだ!別の世界のナタは自分じゃないし、おじさんが生き還っても会えないなんて、生き還ってないのと同じじゃん?」
それを聞いたフラウが顔面蒼白になりました。声を震わせながら絞り出します。
「この世界の私も…永遠にゲイザー様には…会えない…と言う事でしょうか?」
「はい、ですが別の世界のフラウ様はゲイザー様と幸せに暮らしておられる事でしょう」
フラウはその場に崩折れました。涙が止めどなく流れ落ちます。今まで泣かなかったナタまで泣き始めました。
「やだやだやだ!おじさんが生き還るって聞いたから…ぐすっ…ナタ頑張ったのに…酷過ぎる…ひっく」
「私も一度天界に帰ると、ここには戻れなくなるのでお別れになりますね」
「アークまでいなくなるの?そんなの嫌だ!行かないでアーク」
ナタはアークにしがみついて泣きじゃくりました。
「うーむ、やはりこうなったか…。最初から嫌な予感がしておったんじゃ」
「お師匠様は…こうなるって気付いてたの?」
「パラレルワールドの事は知っておったよ?」
「私がちゃんと説明をしていなくて申し訳ありません。もしナターシャ様が望むなら天界には帰らず、このままここにいます」
…つづく
説明 | ||
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第28話。 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
134 | 134 | 0 |
タグ | ||
リュートさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |