裏ビーストテイマー・ナタ30 |
そのまま十年の月日が流れて、ナタの十六の誕生日が来ました。
「ナターシャ様、今日は特別に豪華なディナーをご用意致しました!」
「わお!超豪華なご馳走だね。アーク、料理の腕を上げたの?」
「今までは少ない生活費をやりくりしていましたが、この日の為に路上ライブで軍資金を貯めて置いたのです」
「えへへ、ありがとう。こんなに祝ってもらえて嬉しいよ」
この十年間、盗難目的で忍び込んだ盗賊は数え切れないほどいましたが、全てアークが撃退して被害総額はほぼゼロに抑えています。番犬のジョルジュもいたので、どんなに名だたる盗賊が来ても無駄でした。そのうちに財宝を隠し持っているとありもしない噂を囁かれるようになります。
「今日は特別な記念日になるのですからね…」
「それにしても大っきなケーキ!結婚式のケーキみたーい」
「ナターシャ様、これを…」
「えっ、これって…もしかして…婚約指輪?」
「私には給料はありませんが、路上ライブで三ヶ月間貯めました。ディナー代も合わせると半年かかりましたけどね」
「どうゆう事?アークは女嫌いだから誰とも付き合わないのかな?って思ってたんだけど…」
「十年間想いを秘めておりました。受け取ってください!」
「うーん、アークがフラウおばさまと不倫してたの、私が気付いてないと思ってたの?」
「不倫はしていませんよ?あれは割り切った大人の関係です。フラウ様も私には愛情はないそうです」
「私、子供だから大人の関係ってよくわかんないわ…」
「大人の女性には人肌が恋しくなる時があるのです。他の男と行きずりの関係になろうとしていたので、私が止めてお相手をしていました」
「そっかぁ。フラウおばさまと再婚する気はないの?」
「フラウ様が再婚の意思がないので、私がいくら口説いても堕ちませんでした」
「おばさまがダメだから私に乗り換えたの?」
「いえ、元々ナターシャ様が本命でした」
…つづく
説明 | ||
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第30話。 | ||
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