裏ビーストテイマー・ナタ53
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次の日もアークは噴水広場の前に行きました。演説しているリズがアークの姿に気づいて手を振ります。アークも手を振り返しました。

 

「ありがとうございます!」

 

「頑張ってください!」

 

演説が終わったら、また食事に誘います。

 

「昨日のドレスは家に置いて来てしまったの」

 

「ではもう少し安い店で良ければ…」

 

「ええ、その方が落ち着くわ。ああ言う高い店だと緊張しちゃって…」

 

家族連れがたくさん来ている安いレストランにやって来ました。

 

「サルを連れて来てあげたかったわ」

 

「サルと言うのはあなたの息子のサルバドール君の事ですか?」

 

「ええ、そう。でもこのカレーは…あんまり美味しくないわね」

 

「これなら私が作った方が美味しいですよ?」

 

「あなた料理もできるの?」

 

「ええ、昨日のレストランの料理くらいの味でしたら再現可能ですよ」

 

次の日は休日でしたが、アークは朝からチキンカレーを煮込んでいました。スパイスから調合しています。ナタがキッチンを覗き込んで、鼻をヒクヒクさせました。

 

「美味しそうな匂いがするー!」

 

「ナターシャ様のお口に合えば良いのですが、少し味見してみます?」

 

「うん!もぐもぐ…。ちょっと辛いけど、癖になる辛さだから美味しいよ」

 

「そうですか、安心しました。ちょっとご近所さんにお裾分けして来ます」

 

小鉢に入れて蓋をするとかごに入れて家を出ました。同じ地区にある別の集合住宅の一室を訪ねます。

 

「あなたは!ど、どうしてここに…」

 

「チキンカレーを作ったのでお裾分けに来ました」

 

「ママー!この人、誰ー?」

 

リズのエプロンを男の子が引っ張っています。

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第53話。
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