アークとリズの間に気まずい空気が流れています。

「おや…サルバドール君のお口には合わなかったのかな？」

「この子は甘口カレーじゃないと食べられないのよ…。ハチミツを入れなさい、サル？」

「やだ！こんなまずいの食べたくないー」

「お客様に失礼でしょ！ちゃんと残さず食べないとダメよ」

サルバドールは走ってどこかへ行ってしまいました。リズはアークに謝ります。

「ごめんなさいね。あとで叱っておくから…」

「いいえ、子供の口に合う味にしなかった僕にも問題がありましたので…。次回からは気を付けます」

「私はすごく美味しかった。今日は本当にありがとう。わざわざ持って来てくれて嬉しかったわ」

「僕もこの近所に住んでいますので、また遊びに来ますよ」

「ご近所さんだったの？どこに住んでるの？」

「妻にバレるとまずいので言えません…」

「奥さんがいたんだったわね…。忘れてたわ」

「サルバドール君には嫌われてしまったようです」

「そんな事ないわ？あの子はパパが欲しいっていつも言ってるの。だからあなたが遊んであげてくれる？」

「ええ、僕で良ければ構いませんよ」

帰り際にアークはまたリズにキスをしました。リズは?を赤く染めています。それを物陰からサルバドールは見ていました。帰宅するとアークは洗面所で何度もうがいをしています。

「アーク、またうがいしてるー」

「風邪が流行っているので予防の為です」

「ふーん、アークでも風邪ひくの？」

「天使は病気にはなりませんね」

「じゃあなんでうがいしてるのよ…」

…つづく