裏ビーストテイマー・ナタ62 |
アークはリズがうるさくなってきたら、キスして黙らせるのを繰り返しながら話し続けています。
「フラウ様の心はテオドール様を殺した事で癒されてなどいません。誤解しないでください」
「あなたは私の味方なのかフラウの味方なのかわからないわ!」
「どちらの味方でもありません。僕は中立の立場に立って話しているのです。僕があなたに対して敵意があるように見えますか?」
「どうして私に優しくしてくれたの?そんな風に優しくされると勘違いしちゃうじゃない…」
「フォン様の計らいなのです。あなたを殺せと命令された訳ではなく、説得しろと命令を受けている」
「ほんの少しだけ期待してしまってたの…。テオに告白された時も奇跡が起きたのだと思ったわ。私のような見すぼらしい女をあんな立派な騎士様が相手にするなんて思わなかったから」
「テオドール様が生きていた頃のあなたはまだ美しい心を持っていたのかもしれません。今のあなたの心は醜く歪んでいて、僕の心眼にはとても醜い姿に見えます」
「今からでもまだ間に合う?心を入れ替えて真っ当な人間に生まれ変わるわ。テオもそれを望んでる気がする」
「ええ、今なら間に合いますよ。サルバドール君の為にも悪事から足を洗ってください」
「もうあなたには会えなくなるの?」
「ご近所さんなので、また会う事もあるでしょう」
アークの心眼でリズのどす黒いオーラが消えて行くのがわかりました。
「例えひと時の夢でも嬉しかったの。昔テオとお付き合いをしてた頃の事を思い出して幸せだったわ」
「今のあなたならきっと良い相手が見つかりますよ?復讐に身を焦がしているあなたは、僕から見て全く魅力的ではなかった」
「後悔してる…。十年も人生を無駄にしてしまった事」
「まだまだこれからですよ?フラウ様よりあなたの方がお若いはずでしたよね」
「でも私の方が老けて見えるでしょう?」
「フラウ様はあのプロポーションを維持する為に毎朝フィットネス運動をなさっていますからね」
「やっぱり綺麗な女性は影で努力してるのね」
…つづく
説明 | ||
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第62話。 | ||
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