裏ビーストテイマー・ナタ65
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アークがいつものように帰宅すると、植え込みからナイフを持ったサルバドールが飛び出して襲いかかってきました。ひょいっと背中のサスペンダーを掴んで宙にぶら下げます。

 

「サルバドール君、ナイフなんて振り回したら危険だろう?それをこっちに渡しなさい」

 

「離せ!ママを騙した悪い奴め…。許さないんだからな?」

 

「それはどういう事かな?」

 

「ママはパパを殺した奴の仲間になるって言ったんだ。お前に騙されたからだって、レジスタンスのおじさんが言ってた」

 

「ママは改心したんだよ?レジスタンスの方が間違ってると気付いたんだ」

 

「違う!レジスタンスは間違ってない…。間違ってるのはお前の方だろ?」

 

「サルバドール君、僕と君はいつも一緒に遊んでた仲じゃないか?どうして僕を信じてくれないんだ」

 

「本当はお前なんかと遊びたくなかったんだ!ママが言うから仕方なく遊んでやってただけだよ?バーカ」

 

「そうかい?君に嫌われてるのはなんとなく気付いていたが…。一体、僕の何が気に入らなかったのかな?参考までに教えて欲しいのだが」

 

「ママにキスしてた癖に、お前はママと結婚する気なんかなかったんだろ?そう言うの不倫って言うんだぞ!悪い奴のする事だ…」

 

「ふむ、子供にしてはよくわかっているな…」

 

「子供扱いするな!パパの代わりに僕がママをずっと守ってきたんだからな?」

 

「なるほど、姫君を守る小さな騎士だったわけか」

 

「お前なんか僕が殺してやる!」

 

「残念だが君には僕を殺せない。力の差があり過ぎる。なぜこんな力の弱い子供に僕を襲わせたりしたのか…。レジスタンスの考えている事がわからないよ」

 

「僕は勇者だ!悪の魔王ルシファーを倒す!」

 

そこへナタも部屋から出てきてサルバドールに話しかけました。

 

「どうしたの?こんな可愛い男の子をいじめたりしちゃダメだよ、アーク」

 

「別にいじめてるわけでは…。私の方が先に襲われたんですよ」

 

「だとしても子供の遊びでしょ?ムキになったら負けだよ」

 

「この鋭利な刃物は殺傷力が高そうですが…」

 

「こいつには猛毒が塗ってある!擦り傷でもお前を殺せる」

 

「全く!こんな子供に殺人の片棒を担がせるなんて、レジスタンスは人間のクズですね」

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第65話。
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