裏ビーストテイマー・ナタ68
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ナタの待ってる家に血まみれでアークとサルバドールが帰って来ました。アークの翼は返り血が変色して、どす黒くなっています。

 

「アーク!どうしたの?血まみれじゃない…」

 

「風呂に入らせてください。サルバドールをお願いします」

 

放心状態のサルバドールをナタに預けてアークは風呂に入りましたが、いくら洗っても翼の色は黒ずんだままでした。

 

「これは血の色じゃなさそうだな…」

 

翌朝、リズとレジスタンスのメンバーがアジトで血まみれになっているのが発見されました。ナタは日課のアラヴェスタ・タイムスを読んでいます。

 

「何これ?レジスタンスが仲間割れしたらしいよー。リーダーの女とその仲間が全員、死体で発見されたんだって…」

 

「そうですか…。残念ですね…。せっかく必死で説得したのに、私の努力は全て水の泡です」

 

「ねぇ、あの男の子はいつまでうちで預かっておくの?一体、誰の子供なのよ…。まさかさらって来たわけじゃないよね」

 

「サルバドールはテオドールの息子です」

 

「えっ…じゃあ、この死んだリーダーの女の子供って事?」

 

「そう言う事になりますね」

 

「どう言う事か説明してくれない?」

 

サルバドールはあの事件以来、ショックで失語症になってしまったらしく、何も喋らなくなっていました。ナタが甲斐甲斐しく世話を焼いています。

 

「ふーん、じゃあアークが全員、殺しちゃったわけね」

 

「すいません、ついカッとなって…」

 

「冷静沈着なアークにしては珍しいね。リズって女の事が好きだったの?」

 

「違います!苦労して堕としたと思ったのに殺されてしまったので、なんだか砂場で作った砂の城をワルガキに壊された子供の気分でした」

 

「わかりづらい例えだわ…。砂の城を壊されたくらいで殺人はしないでしょ?」

 

「ううっ…経費で落ちなかった食事代の事で、ちょっとイラッと来てしまいまして」

 

「食事代?何の事よ…」

 

「私の貴重なヘソクリが…」

 

「アークのドケチなところ、おじさんにちょっとだけ似てるわ」

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第68話。
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