裏ビーストテイマー・ナタ77 |
美男美女が痴話喧嘩をしているので、他の客の視線も集まっています。
「サルバドールは最初に食べたチキンカレーが辛口だったのでそれ以来、私の料理に苦手意識があって…」
「本当はあの頃からちょっと味が変だと思ってたの!多分、アークは嫌々料理を作ってたからだよ?愛情がこもってなかったの!だからきっとまずくなったんだと思うよ?」
「確かに…そうだったかもしれません。しかし味には支障はなかったはず」
「しばらく私もアークの料理は食べたくないから作らなくて良いからね?」
「そんな…!どうしてこんな事に…。サルバドールが来る前までは…、あんなに仲良く暮らしていたのに…?」
家に帰ってナタはサルバドールと一緒に寝ると言ってアークは部屋から締め出されました。リビングで頭を抱えています。
「何がいけなかったんだ?まさか料理の腕が落ちていたなんて…!全く気付いてなかった…」
翌日、ナタはサルバドールと一緒に市場へ来ていました。食材の買い出しに来たのです。
「何が食べたい?サルバドール」
「うーん、カレー!辛くないやつー」
「カレーか…。スパイスはキッチンの棚にたくさんあったと思うから、お肉とお野菜だけ買って帰ろっと」
家に帰るとエプロンを付けてさっそく調理を始めます。本屋で買って来た本格カレーのレシピ本も開いてありました。
「調理実習でやった事はあるの。お肉を切るのが怖ーい!とか女子が言ってて、私が全部切ったわ…」
「お姉さん、料理作ったことあったの?」
「一応、カレーくらいなら作れるわよ?」
「ママの作ったカレーはすごく美味しかった」
「それと同じくらい美味しいの作るんだから」
「わーい!楽しみに待ってるね」
ナタは慣れない手つきで一生懸命カレーを作りました。ちょうど出来上がった頃、アークが帰宅したのでナタがエプロン姿でアークを出迎えると、アークは感激しています。
「ナターシャ様、エプロン姿がよくお似合いです」
「たまには私が料理を作ろうと思って、アークにばかり家事を押し付けてたから悪いと思ってたのよ」
「そんな事を気にされていたのですか?でもこうして作ってくださった事は嬉しいです」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第77話。 | ||
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