裏ビーストテイマー・ナタ129
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アカデミーの生徒たちは昼休みに遊んでいました。アークはまず校舎の周りを全て結界で囲みます。かなり強力な結界なので、第一級魔術師が数名がかりでも破るのは困難なものでした。

 

「ねぇ、あれって…アーク様よね?」

 

「本当だ…。何をしてるんだろう?」

 

アークは校庭に着地しました。槍を手に持っています。

 

「なんか槍を構えてこっちに来るんだけど…」

 

「ちょっと、何?怖いよ!」

 

アークの槍は次々に生徒を串刺しにしてしまいます。第一級魔術師の教授たちが校庭に現れて交戦しましたが、歯が立たず全員倒されてしまいました。生徒たちは逃げ惑い、阿鼻叫喚の嵐に包まれています。その頃、天界のミカエルの元に下級天使から神通力で知らせが来ました。

 

「なんですって?あの子が…そんな!急がなくては…」

 

「ミカエル様、どうかなさいましたか?」

 

「ルシファーが暴走してしまったようです…」

 

「えっ、アークが!どうして?」

 

「ナターシャが死んでしまったと思い込んで、アカデミーの教授と生徒を皆殺しにしてしまった…と、報告がありました」

 

「なんでそうなるのよ!アークって頭良い癖に馬鹿なんだから」

 

「ナターシャ、とにかく人間界に戻るんだ!」

 

「うん!アークを止めないと…」

 

ナタは病院のベッドで目を覚ましました。フラウがナタの手を握ったままで寝てしまっています。

 

「…ナターシャちゃん?気がついたの!」

 

「アカデミーに…行かないと…。アークが暴れてる!」

 

ナタは起き上がろうとしましたが、左半身が麻痺していて起き上がれません。激痛が全身に走ります。

 

「その体では無理よ?私が見に行って来るわ」

 

「おばさま…、アークを止めて…。お願い!」

 

フラウはアカデミーに急ぎました。校門の前まで来ると強力な結界が張られていて、第一級魔術師が何人も集まっています。ユリアーノも結界を破ろうとしていました。

 

「なんと言う強力な結界だ…。五人がかりでもまだ破れない!十人は集めないとダメだな?」

 

「あのルシファーと言う男は何者なんだ?なんであんな奴を雇っていた!」

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第129話。
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