裏ビーストテイマー・ナタ130
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その頃、天界も大騒ぎになっていました。ミカエルが他のセラフィムから罵られています。ゲイザーもミカエルの隣で聞いていました。

 

「だから私は反対したのだ!リリスとルシフェルを引き合わせてはならん…と。リリスが関わるとロクな事にならんからな?」

 

「お言葉ですが、今回の件はリリスのせいではありません。むしろリリスがいなくなった事が原因で起こった事です」

 

「あのリリスと言う女は魅了の術を使う事で有名だからな。ルシフェルもあの女の術には勝てないようだ」

 

「ルシフェルにそのような呪いは効きません。現在、リリスがかけている感覚共有の呪いも、ルシフェルが本気を出せば簡単に消し去れるのに、わざと呪いをかけられたままにしていました」

 

「それも魅了の術の成せる技なのだろう?魅了の術は呪いの中で最も厄介だからな」

 

「お話の途中ですみません…。リリスのかけた呪いと仰っていましたが、それは一体どういう呪いなのです?」

 

「勇者ゲイザーには事の顛末の説明が必要ですね。リリスと言うのはナターシャの前世である魔女の事です。リリスは元々、人間でしたが、ルシフェルの鍵で強大な魔力を持ちました。ルシフェルの鍵を狙って多くの者がルシフェルを誘惑しましたが、ルシフェルは誰一人として鍵を使わなかったのです」

 

「鍵…と言いますと?」

 

「人間で言うと…性器の事です」

 

「理解しました」

 

「リリスは転生して、どこの誰かわからなくなりましたが、ルシフェルは私が…鍵を使って、私の腹の中に封じ込めました。そうしないと、ルシフェルが鍵を使ってしまったら、大変な事になるからです」

 

「ルシフェルを永遠に封印する方法はなかったのですか?」

 

「例え殺してもどこの誰かわからなくなって、いずれ復活するでしょうし、地獄に堕としたところで、地獄を支配して天界に戦争を仕掛けて来るでしょうね」

 

「八方塞がりですね…。倒すのは不可能と言う事でしょうか?」

 

「一時的に倒す事なら可能です。でも永遠に封じ込める事は不可能でしょうね。どんなに強力な結界で封じ込めたとしても、何百年もかけて破られてしまうと思います」

 

「最強最悪の魔王じゃないですか…」

 

「だから私はナターシャの中にルシフェルの力を封じ込めていたのです。例えルシフェルが復活しても、ナターシャが止められると思ったから…。ルシフェルを止められるのはナターシャだけなのです。だから私は…あの子をナターシャに引き合わせた。私が手を回さなくても、あの子はいずれリリスを見つけたはずです」

 

「なるほど、ルシフェルはどんなに力づくで抑えようとしても無駄だから、ミカエル様はリリスの愛によって抑えようとしたのですね」

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第130話。
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