裏ビーストテイマー・ナタ131 |
アカデミーの結界が少しだけ破られました。そこから中に数名が入ります。足がすくんで中に入らない者たちもいました。校庭は血の海でそこら中に屍が転がっていたからです。
「アーク!いるなら返事をして?ナターシャちゃんの意識が戻ったの」
返り血をたくさん浴びたアークが現れました。全身黒づくめなので血はあまり目立ちません。
「ナタは無事だったんだね。良かった…」
「どうしてこんな事をしたの?あなたは優しい人だと思っていたのに」
「こいつらはナタをいじめて笑っていたんだ。許せなかった…」
「いじめっ子以外の子まで巻き添えにして…」
「みんな同罪だよ?教授たちも見て見ぬ振りをしてたようだし、いじめを見ているだけで助けなかった奴も共犯者だ」
「ルシファー・マルヴェール、連続殺人及び無差別殺人の罪により身柄を拘束する。奴を捕らえよ!」
「僕を捕らえるだって?やれるものならやってみろ!」
アークが槍を構えると騎士団長は腰が抜けて倒れてしまいました。慌てて逃げ出す騎士団員もいます。
「アーク、病院に戻りましょう?ナターシャちゃんが待ってるの。あなたの事を心配していたわ」
「もう無理だよ?僕のオーラは穢れてしまったから、ナタは僕を愛してくれなくなる…」
「私はまだあなたを愛してるわ」
「こんな姿になっても愛せるのか?愚かだな」
「ナターシャちゃんがいじめに遭わなければ、あなたは暴れたりしなかったんだもの。本当に悪いのはあなたじゃないと思う」
「ナタが死んでしまったら、こんな世界もうどうでも良かったんだ…。生きる価値のない人間のクズしかいないじゃないか?」
「それでもゲイザー様のような心の優しい人間がたまに生まれて来るの。そんな人がいるからこの世界は壊しちゃいけない…」
「でもゲイザーは殺された。愚かな人間の手によってね?」
「そうね。ゲイザー様を殺してしまったのが、この世界の人間の一番の罪だと思うわ…」
「ゲイザーが生き還った世界でもう一度やり直したいよ?」
…つづく
説明 | ||
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第131話。 | ||
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