裏ビーストテイマー・ナタ134
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ナタは診療所のベットの上で心臓に激しい痛みを感じていました。自分の左胸を右手で鷲掴みにしながら痛みに耐えています。

 

「アークが負けちゃったみたい…。ミカエル様がアークを倒して…アーク、死んじゃった…」

 

「えっ、あんなに強いアークが負けちゃうなんて…。ミカエルって天使はそんなに強かったのね」

 

「ううん、途中までアークが勝ってたみたいなんだけど、ちょっと…ミカエルが…今、何してるの?信じらんない!」

 

「うん、ミカエルって人がどうしたの?」

 

「なんか今アークとミカエルがエッチな事してる…。敵じゃなかったの?」

 

「それって…!ミカエルって言う女が…アークを好きだったって事?」

 

フラウがなぜか憤慨しています。フラフラと立ち上がりました。

 

「ナターシャちゃん…。そのミカエルって天使は今、どこにいるのかしら?アークの仇を討ちに行くわ!」

 

「今はアカデミーにいるみたいだけど…。屋上にある時計塔が見えたから」

 

フラウがアカデミーに走って行くのを、ナタは病室の窓から見送っていました。

 

「はぁ…感覚共有の呪いはもう外そうかな…。アークの苦痛が伝わって来て…これは辛いわ」

 

フラウが辿り着いた時にはもうアークもミカエルも屋上にはいませんでした。真っ白なカードが一枚だけ落ちています。それを持ち帰ってナタに渡しました。

 

「これはアークのカードだね。空っぽになってる…。使い魔が死んだらこうなるの」

 

「そう言えばゲイザー様のカードも空っぽになってるの?」

 

「わかんない…。おじさんのカードは手元に戻って来なかったから…」

 

「ゲイザー様がもし別の世界で生き還ったら、こっちでも召喚できたりするのかしら?」

 

「うーん、どうだろう?カードの中は異次元と繋がってるっぽいけど、アークはいなくなっちゃってるし、おじさんは天界にいたよ?」

 

「ゲイザー様にお会いしたの?羨ましいわ…」

 

「でもおじさん、私がアークと結婚したって聞いて驚いてたなぁ…。どうしてだろー?」

 

「私の事は…ゲイザー様は何か言っておられなかったかしら?」

 

「それは…えっと…おばさまが他の人と浮気しても、仕方ないって言ってたよ」

 

「そんな事、言ってたの?なんだかショックだわ…。浮気しないでって言うのが普通でしょ」

 

…つづく

説明
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第134話。
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