左利きの魔剣士13 |
クレスと人間だった頃のルリは、まだ言い争っていました。
「いや、むしろ好みのタイプだよ?セルフィーユの魔法科にいた頃も、君みたいに勉強熱心で色恋沙汰に興味のない女性の事が好きだったんだ」
「だったら私の事…好きになってくれないんですか?」
「初めて好みのタイプの女性から好きだと言われたのに、歳の差がネックになって結婚には踏み切れない」
「私、この十年間ずっと先生の事だけ見てたんです。あと十年経って、先生が禿げてもまだ先生の事、好きだったら結婚してくれますか?」
「十年も待たせて、また十年待たせるなんて…女性に対して失礼だったね。ハッキリ無理だと断るべきかな?」
「やっぱり私の事、嫌いなんですね」
「嫌いではないよ?もし君と僕が付き合ってしまったら、僕は君の事をいやらしい目で見てしまうかもしれない。それでは仕事にならない」
「嫌われてないなら…諦められないです」
「もし付き合うと言うならセルフィーユに女医の勉強に行くんだ。離れていれば手を出す心配もなくなる」
「セルフィーユになんか行きたくありません!私がいない間に他の女が先生に言い寄るかもしれないのに…。先生はモテるから浮気されそうで心配です」
「そんなに信頼出来ない相手とは結婚しない方が良いよ?」
「どうして?好きなら一緒にいたいと思うのが普通でしょ」
「好きだからこそ、そばにいない方が良い場合もあるんだ」
「先生の気持ちがわかんないです。私がまだ十八の子供だからなのかな…」
「ここに君と一緒にいたら僕は毎日のように君の体を求めるだろう。そんなのは師弟関係と呼べない」
「私は先生に抱かれたいと、ずっと思っていました…」
「一度抱いてしまったら、きっと理性では抑えきれなくなる。危険だ」
「先生にだったら私、どんな事されても平気なのに…」
…つづく
説明 | ||
昔、知り合いが某少年漫画に持ち込みして、編集の人にこき下ろされまくった作者の原作の小説。復刻版の第13話です。 | ||
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