左利きの魔剣士36
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ジンとイノンドは薪割りのアルバイトを始めました。イノンドは体力があるので休まずに大量に割っています。ジンは途中でサボっていました。

 

「歩合給じゃなくて固定給なんだから、頑張るだけ無駄だぞ?」

 

「ジンジャー殿はどうぞ休んでいてください」

 

「お前、仕事は出来るのに頑張り過ぎて損するタイプだな」

 

「ハハハ!ジンジャー殿は世渡り上手な気がしますよ」

 

「俺は如何に手を抜いて、ラクして儲けるかを考える方が好きだなぁ」

 

「コツコツ努力すれば報われると学びましたので」

 

「努力しても評価されないなら、頑張らない方が勝ちだって事に、早く気付いた方が良いと思うぞ?」

 

「見ていてくれる人は見ていてくれる…と言うのが私の母上の教えでした」

 

「そっか、まあ別にお前がそうしたいって言うなら俺は止めないよ?」

 

その日暮らしで一日限定アルバイトを探して、商店街に行くと食べ物を買って帰り、野宿を繰り返しています。

 

「ああ、風呂に入りたい…。こんな臭う体では女子に嫌われちまう!」

 

「ジンジャー殿はヒゲも毎朝剃っておられますね」

 

「無精ヒゲなんか生やしてたらモテなくなるだろが!」

 

「逃亡中の身としてはモテる事など気にしていられません」

 

「俺もなんだか虚しくなってきた…。ああ、妖精じゃなくて人間のルリが一緒にいたら楽しかったのに…」

 

「なんでだよ!ボクが妖精だとお前は気に入らないのか?」

 

「気にいらねぇ事だらけだよ?」

 

「私はルリ殿がいてくれるだけで心が癒されていますよ?」

 

「えへへ!イノンドさん、大好き!」

 

…つづく

説明
昔、知り合いが某少年漫画に持ち込みして、編集の人にこき下ろされまくった作者の原作の小説。復刻版の第36話です。
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