左利きの魔剣士48 |
ルリは更にジンを追い込むような言葉を畳み掛けます。
「だってジンは好きになる要素ないじゃん?失礼でデリカシーはないし、お金に細かくてケチだし、クレス先生やイノンドさんはフェミニストで、ケチケチしてないから好きー」
「どうしたらルリは俺の事を好きになってくれんだよ…。昔っから気を引こうとして結構、頑張ってたんだけど全然、上手く行かなかったからな…」
「ジンはクレス先生かイノンドさんの爪の垢でも煎じて飲ませてもらったら?」
「イノンド、爪の垢をくれ」
「そんなものを飲んだらお腹を壊しますよ?」
「ルリが人間になって他の男と付き合うなんて見たくねぇよ!」
「まあまあジンジャー殿落ち着いてください」
「そうだ!ユーカリ姫を救出しよう。そうしよう」
「姫さまは逃げるのは断固拒否されるかと…」
「だからセルフィーユの王子を説得して、返してもらおうぜ!王子は良い人なんだろ?」
「無理ですよ!王子としてのメンツもあるでしょうし、おいそれとはフィアンセを手放さないはずです…」
「お前だって本当はユーカリ姫と結婚したいんだろ!なあ、ルリ。イノンドを幸せにしてやりたいよな?」
「うーん、確かにジンの言ってる事には一理あるね…」
「結婚したいとは思っておりません。一般市民の貧しい生活を姫さまに強いるのは、あまりにも不憫ですし…」
「そんなの愛があれば何とかなるよー。ユーカリ姫を助けに行こう!」
「よし、決まったな。セルフィーユに戻ろう」
「待ってください!愛があっても金がなければ愛はいずれ冷めます…」
「お前の惚れたユーカリ姫はそんなみみっちい事で人を嫌うような女なのかよ?イノンド!」
…つづく
説明 | ||
処女作の復刻版、第48話です。オオカミ姫とは無関係のオリジナル小説ですが、これを掲載する前に書いていた、オオカミ姫の二次創作とかなり設定が酷似しています。 | ||
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