ダーリンはてのひらサイズ13
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帰り道に八百屋にも寄りました。いつものように野菜を買って帰ります。顔見知りの八百屋の店主が話しかけて来ました。

 

「おっ、アプリィちゃん。今日は弟さんも一緒に来たのかい?」

 

「僕は弟なんかじゃない!アプリィの恋人なんだからな?」

 

「えっ!坊や、年は幾つなんだい?」

 

「二歳だけど、人間で言えば二十歳だよ」

 

「二歳にも見えないし、二十歳にも見えないなぁ」

 

「おじさん、今日はどの野菜が安いですか?」

 

「今日はニンジンとカボチャが安いよー」

 

「それじゃ、ニンジンとカボチャをください」

 

家に帰るとアプリィはカボチャのワタをスプーンでくり抜いてよく洗ってかごに並べると、風通しの良い場所で天日干しにしています。

 

「ショーンの大好きなパンプキンシードを作るからね」

 

「そうやって作るんだねー」

 

「あとで殻を剥いで中身を取り出すのが大変なのよ…」

 

「それは僕もお手伝いするよ?」

 

すりおろしたニンジンとカボチャを煮込んでスパイスで味付けすると、裏ごしてからミルクを混ぜて更に煮込み、野菜のスープが完成しました。

 

「はい、ショーンの大好物の野菜のスープよ?召し上がれ」

 

「わーい!僕、このスープ大好きなんだ」

 

ショーンが美味しそうにスープをたくさんお代わりするので、アプリィは嬉しそうによそってあげました。次の日の朝、目が覚めるとパジャマだけ残してショーンがいなくなっています。

 

「あら?ショーンはどこにいるの…」

 

よく見るとアプリィのお腹のすぐそばに小さなショーンがスヤスヤと寝息を立てていました。

 

「うっかり寝返りでも打ったら潰してしまうところだったわ…」

 

アプリィは小さなショーンを潰さないように慎重に起き上がります。ショーンも目覚めて欠伸をしました。

 

「うーん、よく寝た!」

 

「おはよう、ショーン」

 

…つづく

説明
昔、初投稿して落選した黒歴史の作品、第13話。
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