ダーリンはてのひらサイズ14
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ベッドの足を滑り降りると、いつものように部屋の片隅に置かれたドールハウスにショーンは歩いて行くと、小さなクローゼットを開けて、アプリィが作ってれた服を着ました。

 

「薬はまだたくさんあるけど、あのお婆さんがいつ来るかわからないから、節約しておいた方が良いわよね?」

 

「あの薬は何だかとてもヤバイ予感がするよ」

 

「ショーンはあまり乗り気じゃないみたいね」

 

「考えても見てごらん?普通に体が大きくなったり小さくなったりするのはあり得ない事だろう。それが薬で簡単に起こるなんて体に良くない影響があるに決まってるんだ」

 

「ショーンは私よりも大人っぽい考え方をするのね。私はまだまだ頭の中が子供のままだわ」

 

「睡眠薬もそうだけど、本当は眠くないのに無理やり眠らせるなんて体が嫌がるに決まってるだろう?自然に眠くなった時に眠るのが一番、体には良いんだ」

 

「それでも睡眠薬に頼らないと眠れない人もいるわ。そう言う人はどうすれば良いの?」

 

「睡眠薬に頼らないと眠れなくて睡眠薬を飲んでたら、睡眠薬がないと眠れない体になってしまう。睡眠薬なしで眠れなくなってしまった時にどうするんだ」

 

「確かにそうね。自然に眠れるのが一番良いのだろうけど、不安で眠れなくなる人の気持ちもわかるのよ」

 

「僕は眠れない時は無理に寝ないでやりたい事をやるよ。そしたらいつの間にか寝ている事があるからね」

 

「やりたい事がない人はどうすれば良いの?」

 

「やりたい事は自分で見つけるのさ?例えば寝ている靴屋に忍び込んで、靴を作ってあげた小人もいるし」

 

「あっ、その話なら聞いた事あるわ。小人は手が小さいから縫い目も細かいのよね。小人の靴屋って童話があるくらいだもの」

 

「何かを作るのはみんなが寝静まった夜の方が捗る事もあるからね。誰も話しかけてこなくて静かだから集中しやすいし」

 

「小人の靴屋の童話ではたくさんの小人が靴を作っていたみたいだけど…」

 

「人間の靴は大きいから友達も呼んで一緒にやったのかもね。僕は詳しい事は知らないから」

 

「ショーンの履いている靴は誰が作ったの?」

 

「これは僕が作ったんだ。ちょっと縫い目が雑だろう」

 

…つづく

説明
昔、初投稿して落選した黒歴史の作品、第14話。
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