ダーリンはてのひらサイズ25
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それから薬がなくなる頃になるとあの老婆がまた現れて薬を売りに来ていましたが、ある日老婆がパッタリ来なくなってしまいました。

 

「困ったわ。そろそろ薬がなくなってしまうのに、おばあさんが来てくれない」

 

「うーん、俺も薬がないとアプリィの家に入れなくなるから困るなぁ」

 

「あのおばあさんはどうして私が薬を買うとわかったのかしら?ショーンがいなければ薬を買わなかったと思うの…」

 

「あいつはなんだか悪い魔女の予感がするよ」

 

ショーンが不機嫌そうに言いました。

 

「私はあのおばあさんは、良い人だと思ってるわ」

 

「アプリィは人を疑う事を知らなさすぎるんだよ」

 

「おばあさんがどこに住んでるか探しに行きましょう」

 

「そうだな。俺も探すのを手伝うよ?この森の事なら大体、道も詳しいからさ」

 

アレクスと一緒に出かけようとしたら、ショーンも渋々、付いて来ました。

 

「あいつとはもう関わらない方が良いよ」

 

「もしかしたら病気で寝込んでるのかもしれないわ?心配よ…」

 

「アプリィは優しいんだなぁ。よし、行こう」

 

三人は森の奥深くまで探しに来ました。見た事のないログハウスを見つけます。

 

「あの小屋はもしかして…」

 

ドアをノックすると誰も出て来ません。回り込んで窓から覗き込むと老婆が倒れていました。

 

「大変!おばあさんが倒れてるわ?」

 

アレクスがドアを蹴破って中に入ります。老婆を助け起こしてベッドに寝かせました。老婆は力なく答えます。

 

「ありがとう…。助かったよ。あの棚の瓶を取ってくれるかい?不老不死の薬があるから…」

 

不老不死の薬のラベルが付いてる瓶を取って来ました。

 

「おばあさん、薬を取って来たわ。どうぞ?」

 

「これを毎日飲まないとわしは死んでしまうんだ」

 

「そうだったのね。早く気付いて良かったわ」

 

「でも、この薬の材料の妖精の粉が高くてね」

 

…つづく

説明
昔、初投稿して落選した黒歴史の作品、第25話。
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