闇ビーストテイマー・ナタ3 |
リビングは猫たちのせいでむちゃくちゃになっていましたが、フラウの寝室は綺麗に片付けられていて、あまり臭くありませんでした。
「ここでおじさんも昔は寝てたんだよね」
「もう十年も前になるから、ゲイザー様の匂いも消えてしまったわ…」
「おじさんが生きてる世界が別にあるってアークは言ってたけど、この世界にはずっとおじさんはいないままなんだよね」
「ゲイザー様が生きてる世界は平和そのものでしょうね…」
「その世界ではアークも生きてると思う」
「アークも死んでしまったなんて、まだ信じられないの。アークの死体はこの目で見ていないから…」
「私はおじさんが死ぬ時も感覚共有してたし、アークが死ぬ時も感覚共有してたんだけど、痛みはそこまでリアルじゃなかったわ。感覚共有の呪いは自分の体験した事ない感覚は、きちんと伝わってこないから」
「そんな辛い呪い解いてしまった方が良いと思うわ…」
「うん、もう解く事にしたよ?」
「どうやって解くの?」
「ちょっと面倒なんだけど、私の持ってたカード専用の宝石箱持って来て」
フラウは運び込んであったナタの荷物の中から宝石箱を取り出すと持って来ました。ナタは自分の名前の刻まれた、真っ白なカードを一枚取り出します。
「これがまだ未封印のカードなんだけど、呪いの解除方法がややこしくて、魔導書を見ながらやりたいんだけど、おばさまにはどの魔導書かわからないだろうから、後でお師匠様のところに取りに行ってくれる?魔導書の種類はこのメモに書いておくから。ああ、右手が動いて良かったわ」
ナタはダブルベッドに座ったまま左手はだらんと垂らして、右手でベッド脇に置いてあったメモ帳に何やら謎の言語で走り書きしています。
「そんな呪いがあるのを知っていたら使い魔になんてならなかったわ」
「黙っててごめんなさい!でも知らない方が幸せだと思ったから、おじさんにも言わなかったの」
「その話をアークから聞かされた時は顔から火が出そうだったわ…。別の世界ではずっと知らないままでいたのかしら?」
「おばさまがアークと浮気しようとしてた時に聞いたんでしょ?黙ってても私にはすぐ浮気がバレるって」
「ううっ…ナターシャちゃん、ごめんなさい」
「アークにも何度もこの呪いは解除した方が良いって言われたけど、浮気防止の為にわざと残して置いたの!」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第3話。 | ||
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