闇ビーストテイマー・ナタ7
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翌朝、フラウはユリアーノのいるアラヴェスタ城へやって来ました。ナタに昨夜渡された、謎の言語の書かれたメモを手渡します。

 

「ユリアーノ様、ここに書かれてる魔導書をナターシャちゃんが欲しがっているのですが…」

 

「これは…!危険な呪いの魔導書じゃからな。わしの塔にある秘密の書斎に鍵をかけて厳重に保管しておるわい。今はちょっと仕事が忙しくてな、取りに行ってる暇はないぞ?」

 

「魔法屋で買うとおいくらになるんですか?」

 

「うーむ、禁書じゃから裏ルートでなら手に入るかもしれんが億単位になるかもしれんのぉ」

 

「そんなに?ちょっと予算が…」

 

「呪いの魔導書なんぞ何に使う気じゃ?」

 

「私にかけられてる感覚共有の呪いを解いてもらう為です」

 

「ああ、あれか…。ナターシャにせがまれて仕方なくわしがかけた呪いじゃな。ナターシャに最初に渡した五枚のカードにはわしがかけてあったが、それ以外はナタが自分でかけたと言うのか?」

 

「多分、ナターシャちゃんの持ってるカードには、全部かけてあると思います」

 

「あんな呪いを使いこなすとは末恐ろしい子じゃな…」

 

「そんなに難しい呪いなのですか?」

 

「ナターシャのように自分にかけるのは、よっぽどの物好きだけじゃよ?」

 

「浮気防止の為とか言ってましたけど…」

 

「人の苦しみや悲しみをそのままトレースするんじゃ。まるで自分が傷付いたのと同じ状況になる。誰が好き好んでかけるものか」

 

「確かに…。ゲイザー様やアークの死に際の苦痛もナターシャちゃんは感じ取っていたようです」

 

「思念だけが直接、脳内に届くのじゃが、それが鮮明に映像化される場合もあるようじゃな」

 

「じゃあ直接、見られてたわけじゃなかったんですね」

 

「見えているようで見えてはおらん。心の中を見とるわけじゃからな」

 

…つづく

説明
どうしても書きたくて書いた裏の続き、第7話。
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