闇ビーストテイマー・ナタ16
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図書館の奥にある人の来ない部屋で、二人は話しています。

 

「サルバドールとは仲が良かったのですか?」

 

「いえ、何度か口説かれた事もありますけど、いきなりキスしようとしたので、ひっぱたいた事もあります…」

 

「そんな事があったのか…。サルバドールならあなたの同級生なので、その弟として僕も一緒に家に行くのは大丈夫でしょうか?」

 

「サルバドールの弟だったの?そう言えばサルバドール・マルヴェールってフルネームだったわね…」

 

「サルバドールはマルヴェール王家の養子になってるので、使い魔だったルシファーもマルヴェールの姓を名乗っていました」

 

「なんだか複雑な家庭環境なのですね…」

 

「子供の姿の方が安心するなら、子供の姿で行きます」

 

「えっ…どう言う意味ですか?」

 

「僕はまだ九歳の子供なんです。魔法であなたと同じくらいの歳に変身しています」

 

「そんな魔法があったなんて…」

 

「騙すつもりはなかったのですが、子供の姿では相手にされないと思ったので」

 

「ちょっとショックです…。そんなに歳下だったなんて思わなくて…」

 

「僕もサルバドールもフラウ・マルヴェールの養子なので、僕はサルバドールの弟になりますし、母のナターシャ・マルヴェールは戸籍上、姉になってます」

 

「複雑過ぎてお昼の演劇よりもドロドロしてますね…」

 

「あなたのお母さんには兄を連れて行くと言ってください。僕は弟として勝手について行きます」

 

「わかりました。男友達を連れて行くのは初めてなので、母が許してくれるかどうかわかりませんが、サルバドールなら何度か会ってて母もよく知ってるし、警戒しないかな…」

 

「サルバドールは僕と違ってムードメーカー的な存在なので、家の中の空気を明るくしてくれてましたよ」

 

「確かにサルバドールはお調子者で、一緒にいて楽しくて友達としては好きでした」

 

…つづく

説明
どうしても書きたくて書いた裏の続き、第16話。
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