闇ビーストテイマー・ナタ21
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ルークの歌声は完全にアークの歌声をコピーしていました。ミッシェルはうっとりしながら聴いています。

 

「本物みたい!私は本物の歌は聴いた事ないんだけどね…」

 

「家に帰って、僕のお母さんにも聴いてもらおうっと」

 

「あなたのお母さんって戸籍上のお姉さんだったっけ?まだ若いのよね…」

 

「うん、まだ二十六歳だよ」

 

「あなたのお母さんが、私と七つしか歳が違わないなんて、不思議な感覚」

 

マルヴェールの邸に帰って、ナタの前でルークがアークの曲を歌うと、ナタは驚いています。

 

「どうしてその曲を知ってるの?ルーク」

 

「友達に聴かせてもらったんだ」

 

「あの頃のレコードがまだ残ってたなんて…。私はレコード買ってなかったから、もう手に入らないの。こんな事になるなら、買っておけば良かったわ」

 

「プレミア付きで何百万もするらしいよ」

 

「そんなに?アークもビックリするわね」

 

「どんなに禁止されてもファンは聴きたがるんだなぁ」

 

「そのアップルパイの唄は私も一番好き」

 

「僕もこれが一番気に入ってる」

 

「ルークはアークの事、嫌ってるんじゃなかったの?」

 

「別に?ただ周りからは悪人だったって聞いてたから、真実を知りたかっただけだよ。お母さんは僕がお父さんの事を聞いても、あまり詳しく教えてくれないし…」

 

「思い出すと辛くなるし、知らない方が良いかと思って…」

 

「僕はお父さんがどんな人だったのかを知りたいんだ」

 

「アークは優し過ぎたの。優し過ぎると心が折れてしまって、時々壊れてしまうから…」

 

…つづく

説明
どうしても書きたくて書いた裏の続き、第21話。
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