闇ビーストテイマー・ナタ36
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食事に行くと周りの目を引くので、眼鏡の女性は狼狽えていました。自分のファッションが変なのか、と不安になってきたのです。

 

「どうかされましたか?何か気になる事でも」

 

「い、いえ…。ちょっと人の目が気になって」

 

「ああ、たまにジロジロ見て来る人がいますけど、気にしないでください。いつもの事です」

 

落ち着こうと思って眼鏡を取ると、シルクのハンカチでレンズを拭います。

 

「目元が可愛いですね。黒縁の太い眼鏡をかけていたから気付かなかった」

 

「そ、そうですか?じゃあ外してようかな…」

 

ぼやけてよく見えない視界で何とか食事を済ませます。周りが見えないおかげで少し緊張が和らぎました。

 

「お会計は僕が済ませて来ます」

 

「いえ、割り勘でお願いします」

 

「女性に払わせるのは失礼に当たると習いましたが…」

 

「私は男に奢らせるのは良くないと習っています」

 

「そうですか。立派なお考えをお持ちなのですね」

 

店を出ると、また噴水広場に戻って、ベンチに座って話す事にしました。一睡もしていない上に眼鏡をかけていないので、フラフラしながら座ります。ルークが体を支えて座らせました。

 

「具合は大丈夫ですか?足元がフラついてるようですが…」

 

「大丈夫です…。眼鏡を取っていたので、よく見えなくて」

 

「店ではあまり話せなかったので、もう少し話をしたかったのですが、もう帰られますか?」

 

「私もまだ話がしたいです」

 

「何の話をしましょうか?」

 

「ゲオルグ様のご趣味は?」

 

「趣味は読書と…最近音楽を少々始めました」

 

「音楽もされてるんですね」

 

…つづく

説明
どうしても書きたくて書いた裏の続き、第36話。
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