闇ビーストテイマー・ナタ64 |
天界にいるミカエルのところに、下級天使から神通力で報告が入りました。近くでゲイザーも香りの良い紅茶を飲んで、美味しい焼き菓子を頬張っています。
「えっ…!ナターシャとルークが魔物たちを逃して…?そうですか…。残念ですが…、この世界はもう終わりましたね」
「ナターシャとその息子が、何か悪さをしでかしたのですか?ミカエル様」
「いえ、二人は魔物を助けようとしたようですので、悪意はなかったと思うのですが、結果的にアラヴェスタ王国は滅びてしまいました…」
「全く…!一体、どうしてそんな事に?」
「話すと長くなってしまいますし、上の者を説得に行かなくてはならなくて、話してる暇もありません…」
「そうですか…。私にも何か手伝える事があったら遠慮せずに言ってください」
「実は勇者ゲイザーにお願いがあったのです。あなたを生き還らせる事にしましたので、今から上の者を説得して崩壊してしまった世界をリセットする為の手続きをしてきます」
「しかし私に世界の崩壊が食い止められるのでしょうか?自信がありません…」
「あなたなら必ず魔王の暴走を食い止められます。あの子は今、私の腹の中にいますが、リセットした世界でやり直しをさせます」
「わかりました。この二十年間、ここでミカエル様と一緒に暮らせた楽しい思い出は一生忘れません」
「残念ですが蘇生の為に時間を巻き戻されるとあなたの記憶は消されてしまいます。天使は蘇生後も記憶が残るようにしていますけどね…」
「そうですか…。生き還ったらフラウにも会えるのかな?しかしアーク殿と不倫をしていたとナターシャが言っていたから浮気されないか心配だ…」
「大丈夫、そのナターシャから聞いた記憶も全部消えます」
「良かった…。消してしまいたい記憶でした」
「蘇生後も記憶が残り続けると勇者に精神的負担が大きいので消す事にしてるんですよ」
「確かに首をはねられた時の記憶も消えてなくなって欲しいです。今でもたまにあの時の悪夢を見て魘されますし…」
「人間は記憶によって苦しみますので、私たちのように転生前の記憶は残さないのです」
「死の苦しみを何度も味わっているミカエル様は本当にお辛いでしょうね」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第64話。 | ||
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