闇ビーストテイマー・ナタ65
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ミカエルはゲイザーに和かに微笑みかけます。

 

「ふふ、心配してくれてありがとう。でも人間ほどの苦痛や恐怖はないので安心してくださいね」

 

「最後に想いを伝えておきます。私はミカエル様を愛していました…」

 

「私もあなたを愛しています。また会える日を楽しみにしていますね」

 

ミカエルは神々の集まる宴の広場にやって来ました。神たちの耳にも神通力で下級天使の報告は入っています。

 

「だからわしはリリスの産んだルシフェルの子供は殺せとあれほど言ったのだ。ロクな事をせんからな?」

 

「お言葉ですがリリスもルシフェルの息子も悪事は一切、働いておりません。結果的に一国が滅んでしまったと言うだけで…」

 

「世界を滅ぼす要素になり得るのだから殺すべきだと言ったであろう?ミカエルは本当に天界一のブレインなのか…」

 

「ルシフェルはもうじき私の腹から産まれますが、転生前の記憶は全て消しておきます。封印魔法で魔力を十分の一にして…」

 

「それではまた同じ過ちを繰り返すのではないかな?記憶がなくなれば、やり直しても同じ事だろう」

 

「私が勇者ゲイザーを導いて立派にやり直させてみせます。ナターシャを殺してしまったら、それこそ世界の崩壊が止められなくなってしまうので、もう一度チャンスをください…」

 

「次が最後だからな?もう次はないと思え!」

 

「はい、ありがとうございます」

 

ミカエルはメタトロンとウルドにゲイザーの蘇生手続きの書類を持って行きました。その後、黒髪で浅黒い肌の女に変身して、占い師のフリをして夜の街にいたゲイザーに話しかけます。

 

「そこのお兄さん、悪い相が出ていますよ?」

 

「すみませんが、占いは信じないので…」

 

占い師ミケーラはゲイザーに腕を絡めて上目遣いで話しかけます。ゲイザーは顔を真っ赤にして、その場に硬直してしまいました。

 

「困っていらっしゃるのでしょう?満月の夜に記憶がなくなってしまう事を…」

 

「なぜそれを…!あなたはどうして…その事を知っているのですか?」

 

「ふふ、私には何でもお見通しなんです。しかもそれが原因で仕事を無理やり辞めさせられてしまったのですよね?」

 

「まさか占いがここまで当たるとは…!なんだか少し恐ろしいですね」

 

「ユリアーノの塔に向かいなさい。そこに解決の糸口が見つかります」

 

…つづく

説明
どうしても書きたくて書いた裏の続き、第65話。
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