聖ビーストテイマー・ナタ5
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ゲイザーは書類を手早くまとめながら言いました。

 

「まだ子供だからと思っていたけど、そろそろ潮時かなと思ってね。部屋は別々にする事にしたんだ」

 

「その事でここに来たってわかってたんだ…」

 

「簡単な推測だよ?バカでもこのくらいわかるだろう」

 

「ローラには僕の気持ち教えたの?」

 

「アウローラには言ってないよ」

 

「良かった…。まだローラにはバラさないで欲しい。自分の口で伝えたいから」

 

「アーク殿もアウローラには言ってないようだから安心しなさい。私にはルークの気持ちを大事にしたいと伝えて来ただけだから」

 

「お父さんは僕の味方だと思ってたから、僕が困る事はしないと思ってるけど」

 

ルークがゲイザー邸の子供部屋に戻ると、もうローラの学習机は部屋からなくなっていて、二段ベッドは一段に解体されていました。いつもより視点の低くなったベッドに寝転がります。

 

「なんか前と別の部屋みたいだ。ローラがいなくなっただけなのに…」

 

今までずっと一緒にいたローラが、急に遠くへ行ってしまったように感じました。リビングのソファーに座っていたローラに話しかけます。

 

「ローラにずっと話したかった事があって…」

 

「何?話したかった事って」

 

「僕の好きな人の事…」

 

「ああ、それ気になってたんだー!誰なの?」

 

「僕…ずっとローラの事が好きだった!」

 

「えっ…私はルークは弟みたいに思ってたよ」

 

「弟って…酷いよ?僕の方がローラより少しだけ先に産まれたんだから、どっちかって言うと兄だろ!なんかショックだ」

 

「一応、戸籍上はルークは私の甥っ子だし…」

 

「同い年なのに甥っ子って言われても…」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第5話。
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