ローラは喉の奥に何かがつっかえたような話し方で、お風呂場の中でジュリーに悩み相談を続けています。

「お父さんが…その…男の人が好きらしくて…、お母さんが悩んでて…、私も実は…お父さんと同じみたいで…悩んでるの」

「そう…。難しい悩みよね」

「この話すると…みんな私の事…怖がって逃げちゃう」

「私は怖がらないけど、理解してあげられる自信はないわ」

「ジュリーがそう言う人じゃないのはわかってるよ？」

「なんだかルーク君が可哀想に思えて来ちゃって」

「どうしてルークが可哀想なの？私が悩んでるのに…」

「好きになった子が女の子にしか興味がないのに、自分は男だから悩んじゃうと思うわ」

「お母さんも同じ事言って悩んでた」

「フラウおばさまの気持ちもわかるのよ」

「そっか、やっぱりジュリーはルークと違って真剣に考えてくれてるね。話して良かった！」

「ルーク君も真剣に考えてくれてるとは思うけど、答えの出ない問題だから、勉強のできる人ほど、明確な答えを出そうとして焦るの」

「うーん、確かにルークは勉強はできるんだけど、話してるとバカだなぁって感じるわ」

「男の子は女の子よりバカなくらいがちょうど良いのよ？」

「ジュリーは考え方が大人っぽいなぁ…」

「ゲイザーおじさまみたいに頭の切れる男は私ならパスね」

「そうなの？ジュリーのお父さんのユリアーノ様も頭が切れる男だと思ったんだけど…」

「パパとママを見てたらね…。絶対こうなりたくない！って反面教師にしてたのよ」

…つづく