アカデミーの廊下ですれ違いざまに、ローラはルークにまた腕を掴まれて袋小路に連れ込まれました。

「また結界を張ったの？こう言う事するのやめて！って言ってるでしょ…」

「今度は弱い結界だよ？妖精の国のゲートとかエルフの里とかユリアーノの塔とかの周りに張ってある結界と同じやつさ」

「その説明だけだと、どんな結界なのか私にはわかんないわ…」

「そこに何かがあるのに見えなくなるんだ。だから入って来なくなる。第一級魔術師なら見えてしまうと思うけど、そこら辺の生徒には無理だろ？」

「話があるなら普通にしたら良いじゃない？」

「他の奴らに邪魔されたくなかったんだよ？」

「またキスするつもりなんじゃないの？」

「嫌なら嫌だってハッキリ言えよ！」

「嫌だって何度も言ってるでしょ？」

「僕がやりまくってるって噂が立ってるからだろ？色んな女子と付き合って別れてるから…」

「うーん、まだ別れたって思ってないっぽかったよ？付き合ってたって思ってなかった子もいたし…」

「僕は何もやってないから！誤解しないで…」

「キスもしてくれないし、手も繋がないんでしょ？知ってるよ」

「女子はおしゃべりだから、僕とした事を全部ローラに話してしまうんだな…」

「私のお友達を傷付けたら許さないからね？」

「ローラは誰か好きな人がいるの？」

「好きな人はいるよ？」

「誰なの？教えてよ…」

…つづく