聖ビーストテイマー・ナタ30
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ローラが立ち去ろうとすると、ルークは手を掴んで離しませんでした。

 

「離してって言ってるでしょ!本当に嫌いになりそうだわ」

 

「最後に聞かせて…。ローラの好きな人の名前を」

 

「それを聞いたら付き纏うのやめてくれる?」

 

「誰なのかわからなくてモヤモヤしてるんだ。もし誰なのかわかったら、そいつと仲良くしてローラに好かれる秘訣を探るよ」

 

「私が好きなのはジュリーよ?」

 

「えっ…?ジュリーって女の子だよね…」

 

「そうよ?私は女の子が好きなの!」

 

「ちょ、ちょっと待って!どう言う事?」

 

「わからないの?私はレズビアンなの!」

 

「嘘だよね?そんなの信じない…。きっと僕を傷付けずにフル為に考えた嘘なんだ」

 

「嘘じゃないわ。前からずっと男子なんか全然興味なくて、女子と一緒にいる方がドキドキしてたの。ジュリーと一緒にお風呂に入っててもドキドキしたわ」

 

「それって…僕がローラとお風呂に入ってるのと同じ感覚になるって事?」

 

「多分そうじゃない?でも私は男子みたいにエッチな事考えたりしてないけど」

 

ローラが去って行った後にルークは頭を抱えていました。ライバルが女性だとは思っていなかったからです。とりあえず図書館に行くと、性転換魔法について調べまくっています。しかしかなり難易度の高い魔法でした。

 

「難しい…。でも僕が女の子に変身すれば、ローラに好きになってもらえるかもしれない…」

 

ユリアーノの塔に行くと、ユリアーノの死後、結界がなくなっており、塔の中は荒らされていました。使い魔も術者が死亡したら、自由の身になるからです。

 

「確か隠し書庫に貴重な魔導書が、たくさんあったはずだけど、無事に残ってるかな?」

 

塔の中は盗賊に荒らされていましたが、金目の物だけ持ち去った形跡はあったのですが、魔導書の隠し扉は開けられた形跡もなく、本棚には埃が溜まっていました。

 

「良かった…。これ魔法屋に売ったら何億にもなると思うけど、盗賊は知らないんだな」

 

禁書と呼ばれる発禁の魔導書もたくさん遺されており、遺言書にも『魔導書は全て弟子のナターシャに譲る』と記されていて、鍵はナタが持っていたのです。

 

「性転換魔法のやり方が詳しく載ってる魔導書はと…」

 

背表紙を見ながら探して何冊か手に取って読んでみると、気になる記述を見つけました。

 

「惚れ薬の作り方だ!これさえあれば…」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第30話。
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