聖ビーストテイマー・ナタ36 |
目をつぶったままのルークに、男たちは一斉に襲いかかりましたが、全員返り討ちにされてしまいました。裏門の前は電撃で気絶したクラスメイトが大勢、転がっています。騒ぎに気付いた教授たちがやって来ました。逃げられず、学園長室に連れて行かれます。
「ルーク・マルヴェール。どうしてこんな事をしたんだ?問題を起こすのはこれが初めてではなかったが、今までは見逃してやってたんだ」
女の子の姿のルークが、運動着で目を閉じたまま無言で座っていると、ナタの声がしました。
「ルーク、どうしてこんな事に?男子学生を何人も病院送りにしたって聞いたわよ」
「お母さんまで学校に呼ばれたの?」
「目を閉じてるのはどうして?」
「惚れ薬を飲んじゃったから…」
「惚れ薬は禁書に載ってるはずだけど、どこで飲まされたの?」
「僕が作ったんだ。でもローラに飲ませるのは良くない気がして自分で飲んだ」
「そう…。解毒剤を作るまで待ってて?」
ナタが教授たちに謝って、ルークを家に連れて帰りました。
「しばらく謹慎処分になったみたいよ?」
「うん、目が開けられないから、ちょうど良かったよ」
「内申に響くから覚悟しておくようにって…」
「あいつらが悪いんだよ?大勢で寄ってたかって、僕にいやらしい事をしようとしたから…」
「それでも暴力で解決しようとしたら、あなたの方が悪くなっちゃうのよ?被害者の保護者から医療費を請求されたわ…」
「じゃあ、あいつらにいやらしい事をさせてやれってお母さんは言うのかい?」
「そんな事は言ってないけど、みんな自分の都合の悪い事は話さないから、あなたが黙ってたら好きなように言うのよ…」
「僕、ただローラに好きになってもらいたくて頑張っただけなのに…」
「やり方を間違えてるのが、昔のアークによく似てるわね」
「惚れ薬なんか作らなきゃ良かったよ…」
…つづく
説明 | ||
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第36話。 | ||
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