聖ビーストテイマー・ナタ37
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ナタはまるでアカデミーの講師にでもなったかのような口調で言いました。

 

「惚れ薬がなぜ禁止されてるのかわかる?これ第一級魔術師試験に出るわよー」

 

「わかんない。でもなんとなく、好きじゃない人を無理やり好きにさせるのは良くない気がする」

 

「それもおそらく正解よ?相手の意思の尊重が出来ないから、って私は書いたけどね!この手の明確な答えがない問題が多いの。それで毎年試験の脱落者が多いみたい」

 

「僕も怖かったんだ。あいつらの誰かを薬のせいで好きになってしまって、僕の体を弄ばれるのが…」

 

「自分がされたら嫌な事は、人にしちゃダメよね」

 

「第一級魔術師試験って、そんな問題ばかりなの?思ってたよりも簡単そうだなぁ」

 

「法則や公式の問題もあるけど、半分はその手の問題だったわね。両方解けないと合格しないわ」

 

「アカデミーの魔術の試験と同じような問題なら、ほぼ全問正解できると思う」

 

「ルークなら、そこは問題なくクリア出来そうね」

 

ナタが解毒剤を調合する為、魔法屋に材料を調達に行ってた頃、アーク夫妻の家に劇団員が訪ねて来ました。ルークが目を閉じたままで応対します。

 

「ルーク・マルヴェール殿はおられますでしょうか?」

 

「はい、僕がルーク・マルヴェールです」

 

「えっ…、お嬢さんが?まさか…!ルークは正真正銘の男だったはず」

 

「性転換魔法で女になったんですよ。僕に何の用ですか?」

 

「ルークは同性愛者だと言う噂は、本当だったのか…」

 

「えっ!誰がそんな噂を…」

 

「共演女優たちが言ってたんです。女に全く興味がないから、同性愛者らしい…と」

 

「うーん、僕が興味ないのはオーラが汚い人だけなんだけど…」

 

「そんな事より!今日の稽古を無断でサボって脚本家がカンカンなんですよ?」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第37話。
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