聖ビーストテイマー・ナタ39
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ルークは自分のした事の愚かさに、やっと気づいたようでした。

 

「公演の後にファンとの交流があるだろう?あれを目的にしたチケットの争奪戦があるんだ」

 

「でも僕、ファンとはあまりちゃんと交流してないから大丈夫じゃないかな?」

 

「ハグくらいはサービスでしてやった方がリピーターになってくれるんだけどね。ナタの機嫌が悪くなるから、僕もファンサービスはやめてしまったよ」

 

「それがアイドルをやめた本当の理由なの?」

 

「議員の仕事が忙しくてやってる暇がない…」

 

「議員の仕事ってそんなに忙しいんだ?」

 

「議長になればラクになるかと思ってトーナメント戦で優勝してみたが、余計に忙しくなってナタとデートする暇もないから、四年後のトーナメント戦は辞退したよ?」

 

「お父さんがトーナメント戦に出なくなったのは、強すぎてオッズが下がるからって噂聞いてたんだけど、そんな理由だったの?」

 

「ゲイザーが女王補佐官より良い役職の話を、全て蹴ってるのも似たような理由だよ?テオドール国王よりも上の地位である、大司教の地位も蹴ったからな」

 

「地位が高くなれば、お金がたくさんもらえるのにどうして?」

 

「給料が高いのはそれ相応の代償が伴うからだよ?僕だって第一級魔術師連盟の総帥の話が来ていたが蹴った」

 

「僕なら総帥になっちゃうと思うなぁ。給料が高そう」

 

「面倒な事が起きたら全て僕に丸投げする為だろう。三億もらったって割に合わない…」

 

ナタが帰って来たので、ルークに俳優を辞めさせる件について話し合いました。

 

「公演を中止にするなんてダメよ?」

 

「どうしてダメなんだ?この台本を読んでも同じ事が言えるのか!未成年者にやらせる内容とは思えない」

 

「今日だってアカデミーに呼び出される前までは美容室で仕事してたんだけど、明日の公演の為に気合い入れてオシャレしてる子もいたの」

 

「そんなのルークには関係ないじゃないか?」

 

「関係あるわよ!俳優は夢を売る仕事なの。夢を壊したらダメに決まってるでしょ」

 

…つづく

説明
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第39話。
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